第三話 球技大会は楽しい会?-3
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帰り道
和真は時羽と三輪の3人で帰っている。
「そういえば、ずっと時羽さんに訊こうと思ってたんだけど、なんで時羽さんは髪を銀髪にしてるの?」
前々からの疑問をぶつけた。
「あ、それ俺も気になる!」
三輪も続く。
「そうね。強いて言えば親への反発かしら。」
「反発?」
「ええ。昔から私は会社を継ぐように言われ、その為の努力もしてきた。会社もちゃんと継ぐつもりよ。私か、私の将来の夫が。だからせめて今だけ、髪の色ぐらいは両親の言う事に逆らってみようかなって。」
この話を聞いて和真はますます時羽に憧れを抱いた。
(俺なんかとは比べ物にならないな)
と思っていると三輪が、
「俺も茶髪にしてんのはほとんど同じ理由だぜ。」
と言い出した。
「あぁ、確か医者になるんだっけ?」
「まぁ別になりたくない訳じゃないんだけどな。ちょっとした反発さ。」
この後も各々の家の話をしながら、みんなそれぞれの家に帰った。
その夜、家のベットに寝転がりながら和真は考えていた。
「みんな家の事でいろいろあるんだなぁ。まぁウチにはまず、肝心の両親が帰ってこないんだけど。」
少しセンチに浸りながら、和真は眠りについた。
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5/21 球技大会当日
天気は快晴。絶好の球技大会日和と言える。
校長による開会の挨拶が終わり、今日の予定が発表される。
まず始めにバスケとサッカーが並行して行われ、清明高校の球技大会で一番盛り上がる注目のバレーがその後に行われるという風になっている。
「絶対優勝!!!」
?―Cのバスケとサッカー組が気合いを入れてそれぞれの会場に散って行く。
和真は時羽、三輪、叶花、串波と共にいた。
「まずどっち応援しようか?」
叶花がみんなに問う。
叶花は和真達と話している内に、和真は見た目と違って中身はイイ人だと気付いたらしい。
が、串波はやはり警戒しているようで、和真が話し掛けると目を泳がせながら答える。
(そのうち串波も分かってくれるさ・・・。)
和真は結構落ち込んでいるが、顔には出さない。
結局まずはバスケの応援に行く事になった。
激戦の末、準決勝まで勝ち進むも敗退し、3位決定戦には勝利したバスケ組。
「よくやったー!!」
「ナイスファイトォー!!」
「3位なら上等だって!!」
同じ?―Cからの称賛の言葉がかけられた。
結果 高1バスケ
優勝 ?―E
準優勝 ?―B
三位 ?―C
和真達が急いでサッカーの応援に行くと、すでに疲れ果てうなだれたサッカー組の姿が・・・。