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あなたへ<出逢い>
【悲恋 恋愛小説】

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あなたへ<出逢い>-1

あなたへ…

あの日、あの時、
あなたのあの質問にすぐ答えていたら、こんな未来にはなっていなかったんだろうか…

<2006年・春・出逢い>
「あぅ〜(泣)」
「みーちゃん今更もがいたってしょうがないでしょう(汗)」
テスト前の10分が勝負の私、橘美香が憲法の論文対策の用紙を前に唸っていると、後ろから千葉有香が呆れた声で話しかけてきた。(テスト前なので席はあいうえお順)
「ゆぅーちゃぁーん(泣)…そうだよね!今更しょうがないっか☆」
「そうそう!私も勉強してないしさ」
私の長所であり短所であるが、追いつめられると開き直るクセが出た。これが出るとあとはいい緊張感を保っていれる。まぁゆぅちゃんは勉強しなくても頭ぃいから出来が違うんだけど。
落ち着いた私はテスト前の小六法交換の時のざわめきをボーっと眺めながらていた。論文形式のテストで小六法は見ても良いのだが、自分のは使えないのだ。よってテスト前に交換をするのだが、この交換した六法によって出来が変わったりすもするのでどれが回ってくるか、大切なポイントでもある。寝てる人の六法が当たればラインが引いてないだけではなく、インデックスすらついていない。オリジナル勉強の人のが当たればラインが引きすぎ、色使いすぎでどの条文が大切なのかわからない。まぁ自分の六法が一番ってところです。

「使わせてもらいます」

あまりにボーっとしていたため、急に右側から声がかかっても何のことか分からなかった。見ると隣の席の眼鏡をかけたキレイめのスーツを着た多分私より年上の男の子?が六法を片手に私の方を見ていた。私の六法が渡ったようだ。
「ああ。はい。どうぞ。」

たったこの二言の会話?が私たちの初めての会話だった。この時もっと話しをしていたら、もっと早く私たちは一緒にいれるようになったのかな。


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