『暖かい雪-2-』-3
「なんか、アフター5ってホントに怖いんだなーって思いました。水沢さんもそう思うでしょ?!」
「あー…そうだね。」
「で、課長が……」
彼女は一人で喋り続けた。
俺は黙って酒を飲みながら時々頷いて、一会社員としての彼女の意見に耳を傾けていた。
「OLってのも大変なんだな。この酒、いいね。地酒なだけあってなかなか………あれ…」
飲み始めて1時間もしないうちに、舞子は小さな寝息をたて、壁に寄り掛かったまま眠ってしまったようだった。
「おいおい、どこが結構いけるクチなんだよ…。」
俺は呟き、無防備に寝ている舞子を前にして困惑するのだった。