School days 4.2-2
――キーンコーンカーンコーン
授業開始の合図だ。あーだるいなぁ。あたしと柿沢はしぶしぶと教室に戻った。
次の科目は古典だった。その終わり際になって突然先生が言った。
「はーい、レポート課題出すよ」
えー!?とみんなの非難の声。そんな生徒達をなだめる様に先生が言う。
「はいはーい、静かに!今日やった源氏物語についてレポートをまとめて下さい」
源氏物語か。だったらそんな苦にならないな、よかった。と安心したのもつかの間だった。
「このクラスは男女半々よね。そしたら男女ペアでやってもらおうかな」
はぁ!?何だそれ!みんなも同じように思ったのだろう、ざわつきが大きくなる。
「提出期限は今月末。早くペア決めて頑張ってね」
そう笑って、先生は去って行った。
「柿沢くん」
真っ先に柿沢の元へやって来た女がいた。
「一緒にやろうよ」
篠川歩佳(あゆか)。目がくりくりとでかくて、髪は軽くウエーブがかかっている。人形みたいな子だ。
確かに可愛いと思うけど、気に入らない子にはとことん嫌がらせをするとかで女子の間じゃ評判は悪い。
ま、噂はどこまでホントか分からないけどね。
あの娘は柿沢狙いだったのかー。あたしは弁当を取り出しながら、なんとなく思った。
「嬉しいよ」
柿沢の声が聞こえる。
「でもごめん。俺、光木さんと組むから」
…は?思わず柿沢を見る。あたしに爽やかな笑みを向ける柿沢。止めてくれ、悪寒が…
「先生に光木さんのこと直々に頼まれちゃって」
嘘つけよ。
「光木さんも聞いてるでしょ?よろしくね」
あたしにふるなって!
「はぁ…」
曖昧な返事をして、あたしは足早に教室を出た。篠川サンの視線が妙に痛かった。
「隣いいか?」
屋上に続く階段の途中に座って弁当を広げていると、声がした。
「駄目」
「何だよ、冷たい奴だな〜」
そう言いながら座ったのは柿沢。どうせ座るんじゃない。
「わざわざあたし指名しないでよね」
「あー、さっきのコト?」
奴はひょい、とあたしの弁当から卵焼きをつまんで食べる。
「別にいいだろ。お互い気の知れた相手の方がやりやすい。それに…」
ふ…とあたしの上に影がさした。
「ヤれる時間多くなる…」
柿沢の顔が近付いてくる。日常とは違う、誘うような表情。強い瞳。
慌ててあたしは視線を逸らす。こいつの瞳の力はすごい。一度捕らえられたら、
逃れられなくなる。
―…ちゅ…っ
首筋に唇を寄せられ、軽く吸われた。それだけで体が熱くなる。
「放課後、図書室でレポートやってこうぜ」
ニコリと笑ってから柿沢は去って行った。
何しに来たの?あいつ…
柿沢に口づけられた所を押さえるあたし。
「いくつキスマークつけたら気が済むのよ…」
他のクラスも同じ課題を出されたようで、図書室は二年生で賑わっていた。
人目があるせいだろう、柿沢は優等生オーラを漂わせている。こんな柿沢苦手。
よく作り笑いできるよなぁ。
それにしてもなんで自分作ってんだろ?素でいればいいのに。
そんな疑問を抱きながらあたしはシャーペンを走らせる。
「光木さん、休憩しようか」
人の数が減ってきた頃、突然柿沢が言った。周りに花が飛ぶような笑顔。勘弁してよ…
すくっと柿沢が立ち上がった。通り過ぎる時に、小さな声が発せられる。
「ついてきて…」
どこ行くんだろう?柿沢はどんどん奥の方へ歩いていく。あたしもその後に続い
た。こっちの方に休憩室なんて無いはず。こいつ、ボケたのかなぁ…
―ぐいっ!
「うわ!?」
急に抱き寄せられ、あたしは思わず声をあげる。
「な、何?」
羽交い締め状態なので、柿沢の顔は見えない。ぽそりと柿沢が耳元で言う。
「シたい…」
「は!?」
何言ってんだ!?今ここで?ま、待てって、それはさすがに…
ふにゅ…
柿沢の手がブレザーの下から侵入し、あたしの乳房を揉み上げた。
「まっ、柿沢!今は駄目だって!それか場所変えようよ…」
「なんで?」
手がブラウスをスカートから引き出し、ボタンを外し始める。
「なんで…って、誰かに見つかったら…ん!」
キャミソール内に指が入り込み、乳房をつつく。
「梨衣が喘がなけりゃ、ばれないよ。人少なくなったし」
そんなの無理だ!分かってるくせに…
じゃあ柿沢を止められる…?無理だな。つまりあたしが我慢するしか無いってか。
ぐにゅっ
わしづかみされる乳房。唇が首筋を滑る。思わず漏れそうになる声を飲み込むあ
たし。
乳房を掴む手の人差し指が、乳首を弄びはじめる。押し付けたり、クリクリ回し
たり。
「相変わらずエッチだな…もう堅いぜ?」
低い声。支配される―…