就活戦隊ZINZI−Z2〜ニートイエロー!?〜-1
おれはタク。
しがないニートです。
将来なんて何もわかりません。
今日も変哲のない一日を過ごします。
それだけはおれにもよくわかります。
それは何も始めないから。
おれは厄介には巻き込まれたくないので。
おれはニートと呼ばれるしがない男。
意味がない。
価値がない。
生きる目標がない。
だけど生きるって明確な目標がないとダメなんですか?
何かを目指さないといけないんですか?
人と張り合わないといけないんですか?
毎日が少しずつすり減っていく感覚。
おれの世界はせまい四畳半。
ここがおれの全てであり、唯一の危険回避区域。
小汚いホームぐらんド。
そこより外には何もないだろう。
世界の果てが四隅を区切るかのような感覚。
敷きっぱなしの布団。
パソコン。
携帯。
プレステ。
積み上げられた漫画たち。
14インチのテレビ。
それで十分だろ。
今日も昼過ぎにおれは目覚めた。
変哲ない昨日の延長線上にある今日。
そこには境目なんてない。
今日も変わらない一日となる予定だったが。
ガチャン。
………
ポストには封筒が一つ。
そんなことは無視して携帯をおもむろに取り出した。
この最新機種をまだおれは使いこなせない。
説明書は読まない。
おれは感覚でこいつをカスタマイズしていく。
収入?
これもこの携帯が大きく鍵を握っていた。
アフィリエイト。
自分のサイトの掲載広告からの収入。
十分だろ。
おれはこの守られた空間で生きてそして死んでいけばいいから。
ネオニート。
ニートを越えたニートにおれはなりたい。
この薄暗がりの四畳半に生息するおれは哀れなニートだと世間から思われていてもかまわない。
いつものようにサイトの更新してからのネットサーフィン。
この時間が至福のひととき。
まるで宝探しをするハンターのようにおれは何かを捜し求めていた。
この空間には何かが眠っているはずだ。
おれを変えてくれる何かが…
そしておれはとうとうその金鉱を見つけてしまった。
就活戦隊ZINZI−Z?
この曰く有りげな迷宮に侵入していった。
「就活で困った君!
就活戦隊を結成しよう!
勝ち組になろう!
院生ブルー」
………べつにおれは職探ししているわけじゃねぇ。
おれはそのままリンクから飛ぼうとした。
………が
その時、ある文章が目に飛び込んだ。