就活戦隊ZINZI−Z2〜ニートイエロー!?〜-2
『踏み出す勇気がない貴方。みんなで渡ればこの世界は何も怖くない。さぁ我らが仲間とならないか!』
プッ
何を青臭い事いってやがんだ。
おれの中の何かがこの文章に反発しだした。
おれは早速書き込んでみた。
こいぬ『仲間探しなんて青臭っ!寝言は寝てからにしてくださいネ。』
ハンネは思いっきり適当だ。
こんな下らない書き込みに即座にレスが返ってきた。
院生ブルー『傷ヲ抱えた臆病なこいぬさん。
一緒に戦おうではないか。辿り着く果ては違えども共に歩もう。
力の限りに。』
まるでおれを丸裸にして全て見透かされているような感覚。
おれは孤独で怯えてばかりのチキンか……
認めたくねぇ…
この空間を平生を乱されたくない。
関わりたくない。
厄介事には。
おれを変えてくれる?
ふざけんな!
おれはクリアボタンを押して携帯を閉じた。
立ち上がり冷蔵庫を開ける。
冷えたコーラを流し込んだ。
思いっきり流し込んだ。
喉が焼ける。
おれはまた静寂の四畳半でタバコをふかしながら布団に潜り込んだ。
落ち着かない。
なんだこの焦り…
再び携帯を開きさっきのページを開いた。
そして思いの丈を心に渦巻くモノを全てそこにぶちまいてやった。
おれがしがないニートだということにも。
先のことなどどうでもいい事も。
変われるはずないと…
こんなことして一体何になるんだ、無駄じゃないか。
しばらくするとまた院生ブルーからレスがあった。
院生ブルー『こいぬ君。
君は今日からニートイエローと名乗るがいい!
何もないなら創ればいいだけのこと。
変わりたいのだろ?
本当は今の窮屈なその空間に嫌気がさしているはずだ。
だったら来たまえ。
わが同胞よ!』
来たまえって何処に?
意味わかんねぇよ…
と言いながらも掌が熱くなっているのをおれは感じた。
おれはタク。
今までしがないニートでした。
今日からどう変わるのか?
それはおれにもわかりません。
だけど何かが始まりそうです。
おれはその何かに確かに巻き込まれました。