全てを超越『4』-4
どうすんだよ。
ここまで言われて、俺はどう応えりゃ良いんだよ!?
あいにくと、その答えは教えてもらえるものではないし、自分で見つけるには……俺にはまだ何かが足りなかった。
ただ、これで少しは応えれるかな。
「……カレー」
「え……?」
「俺の好物はカレーだ。ジャガイモが入ってなくて、ルーは水っぽくないヤツが好きだ。豚カツが乗ってるとなお良いな」
「…………」
「それなら、何度でも『美味い』って言える」
ぶっきらぼうにしか言えないけど、わがままだけど。
あいつがここまで言ってくれるんだから、少しは応えないとな。
「わかったわ。とびきりの美味しいカレーを作ってあげる。もちろん、豚カツも乗せるわ」
そう言った鈴の微笑は相変わらず卑怯なくらい綺麗だった。