natulal reration.5〜SIDE 悠〜-1
突然携帯の着信が鳴った。
開いてみると絢からのメールだった。
話ってなんなんだ?もう話かけんなとか言われたりして。
絶交は嫌だ。
やっぱり前みたいに話したい。
愛しいんだ。おまえが。
絢…
俺は急いで返信した。
『わかった』
家に来るのか…。
耐えれるかな俺。でも嫌われたくない。
次の日久しぶりに二人で帰った。
いつぶりだろう…
俺は必死に話題を切らさずに話し続けた。
たまにでる絢の笑顔が懐かしくて。
前に戻ったみたいに…
そうこうしているうちに家へ着いた。
絢が隣にいるだけでこんなにもドキドキしている。緊張しっ放しだ。
「…で話って…なんなんだ?」
そう聞くと絢は黙り込んでしまった。
俺は何も言わずに座っていた。
沈黙がいくらか続いたとき絢は急に泣きだしてしまった。
「どうしたんだよ?なんかあったのか?」
俺は慌てふためき、焦っていた。
どうすればいい?
そんなに弱って泣いているのを見ると
強く抱き締めたくなってしまう。
でも抱き締めると俺は絢を求めてしまうかもしれない。
俺が欲望の塊だから。
でも泣き声を更にあげて泣く絢を無視はできない。
どうすればいいんだ…
…こんな絢を無視なんてできるはずないだろ?
俺は無意識に
絢の腕を引っ張り俺の中にすっぽり納めていた。
そして力を込めて抱き締めた。
「どうしたんだ?絢…」
絢の髪の匂い…俺を優しく包み込む。
やばい…心臓もつかな…。
ずっと前から心が叫んでいる。
絢が欲しい。と。
なんで自分から離したこの手を
また自分で掴んでいるんだろう。
そして絢が口を開いた。
「悠ちゃ…だ」
「ん…?なんて?」
「山本さんのとこいっちゃ…いやだっ!!」
えっ…今…?山本って言った?
いっちゃいやだ?
状況がわからない。
絢はそのまま続ける。