室内遊戯-1
日曜日の今日、結衣とマコトの予定は遊園地でデートのはずだった。しかし、朝から生憎の雨。そこで、家人が出払っていて居ないとの事で、結衣は急遽マコトの家に来ていた。
ブランチ代わりに宅配ピザを食べながら、話題作のDVD鑑賞。
けれど、恋人同士の甘い時間になるには然程時間は掛からず、午後からはセックスに耽っていた。
「なあ、結衣。今度は目隠ししてみない?」
何回目かのセックスの時に、目を細めながらマコトが楽しそうに言った。
「え?別にいいけど」
単なる遊びだと思っていたから、結衣は簡単に返事をする。それに興味が無かった訳じゃなかったので、その提案を了承した。
マコトはベッドを下り、傍にあったネクタイを1本取ると、結衣の目の上に宛がい頭部に優しく巻く。その後、ベッドに押し倒し柔らかに口付けた。
歯列の隙間からゆっくりと舌を差し入れる。
舌を絡め、ねっとりと交わす口付けの合間に漏れる吐息。
「…っん、ぁ…」
視界を奪われ、マコトの行動が予測できない。それだけの事で、キスしかしていないのに、結衣はいつもより感じていた。
熱い呼吸、触れ合う素肌、その肌を滑る指。
結衣の内腿に滑り降りてきたマコトの指が、そろそろと脚の付け根へと移動していく。
「結衣、もう濡れてきてるよ」
結衣の陰唇をなぞっていたマコトの指が、つぷりとその奥まった秘所に緩慢に侵入する。濡れそぼる其処は何の抵抗も無くその指を受け入れた。
「ぁ…ん…」
抽挿を繰り返され、内部を掻き回される。胎内から漏れ出る淫液が尻を伝いシーツまで湿らせていった。
結衣は自らの秘所から聞こえるくちゅくちゅという淫猥な水音がいつもより鮮明に聞こえて、家人の居ない家中に響き渡っているような錯覚に身を振るわせた。
「ダメぇ…、も…イッちゃうっ!!」
全身に電流が走るような感覚に襲われ、少し汗ばむ白い背中を仰け反らし、結衣は絶頂を迎えた。
「まだ終わりじゃないよ」
脱力し肩で呼吸をする結衣に、耳元でマコトが囁き、膝を割られる。
上体を起こされマコトに跨る格好になると、腰を引き寄せられ、まだ熱の冷めない秘所に、マコトの張り詰めた陰茎が挿入された。
「っん、ぁあッ!!」
ゆらゆらと揺り動かされる度に、奥まった所を刺激される。
指とは比べ物にならない程の圧迫感と熱に、結衣は愉悦の波に飲み込まれそうになった。
…刹那。
「ミノルばっかりじゃダメだよ、結衣。ちゃんと俺のも気持ちよくしてよ」
「…え?みの、る?」
マコトが居る方向とは違う場所であるはずの頭上からマコトと同じ声がして、結衣の動きと思考が止まった。
「バカ兄貴、バラすの早すぎ!」
「結衣は俺の彼女なんだから、見てるだけじゃ満足できないっての」
違う場所から同じ声で会話をしている。
状況が掴めなくて、結衣は視界を遮っていた目隠しを取ると、その現状に呆然とした。