春夏秋冬-1
『春』
またキミと会える季節がやってきた。夏、秋、冬、三つの季節を超えて、キミと会える。
キミとの再開を喜ぶように、ふきのとうもつくしも芽を出している。ヒラヒラと落ちゆく満開の桜でさえも……。
悲しみも苦しさもつらさもすべてはこの季節を待っていたんだ。全部吹き飛ばそう。キミと会えたんだからね。
『夏』
太陽がキミとボクを照りつける。いつもキミは暑いと嘆(なげ)いていたね。
でも、ボクがキミをみるといつも微笑(ほほえ)んでくれた。
その笑顔に何度癒されたことか。キミの笑顔はボクにとって一番とっておきたい宝物だよ。
『秋』
赤色、黄色などの紅葉の上を歩いて、キミから別れをきりだされたのはボクにとってショックだった。
でもキミがそれを望むのなら言うとおりにしよう。ボクにキミを止める資格なんてないから……。
そして、また風が吹く。
『冬』
雪がシンシンと降り続ける中キミは、ボクのもとから離れた。
笑顔で送り出したが、心はとても寂しく隙間から風が吹き荒れる。
でも、また暖かな日が射す春が来るんだ。
いつかまたキミと過ごす春まで、次の春を残しておこう。
さらば、キミと過ごした『春夏秋冬』