第二話 気になる彼女と、迷惑なヤツ-3
「待てやぁ!コラァ!!」
とんでもなく物騒な叫び声。
「おいおい。いくらなんでも、こんなベタベタな展開が・・・。」
などと言っている間に追われている男が、こちらに真っ直ぐ向かってくる。
「うわっ!?こっち来んなよ!!」
残念ながらその男が到着。
「頼む!!助けてくれ!!」
と、言いながら和真の後ろに隠れる男。
「ふざけんな!!嫌に決まって・・・って、お前確かウチのクラスの・・・。」
和真はこの男に見覚えがあった。
「あ、あれ?武藤?」
相手も気付いたようだ。
「お前、三輪 雅人(みわ まさと)だっけ?一体何を・・・?」
「待てっつってんだろうが!クャKキ!!」
恐いおっさんも到着・・・恐いニイちゃんか?
怒り狂うおっさ・・・ニイちゃんに恐る恐る訊いてみる。
「あの〜こいつが何か・・・?」
後ろの三輪を指差しながら訊くと・・・、
「そのガキが、俺のオンナに手ぇ出そうとしやがったんだよ!!」
(おいおい、そりゃダメだろ・・・。)
と、呆れながら後ろを見ると三輪が「ビクッ!」として、懇願するような眼をしながらホザきやがった。
「い、いやぁあまりに美人だったもんで・・・。た、頼むよ、助けてくれ。お前不良ってことはケンカ強いんだろ・・・?」
そこで即答。
「俺は不良じゃねえ!!!」
しかし、こちらの都合などお高「なしに、ニイちゃんは吠える。
「あぁ?お前が相手すんのか?おもしれぇ・・!」
(うぉい!やる気マンマンじゃねぇか!!)
「邪魔しやがって!ぶっ殺す!!」
ニイちゃんが右手を振りかぶり渾身の右ストレートッ!
和真の顔面に当たり、和真が吹っ飛ぶ!!
はずが、
「ガハッ!」
吹っ飛んだのは、ニイちゃんだった。
完璧なクロスカウンター。
和真は大きく息を吐き言う。
「悪いな。俺、昔に柔道と空手やってて、今はボクシングやってんだ。まぁケンカすんのは初めてだけど、実戦練習はずっとやってきたからな。まだやるってんなら容赦しないぜ?」
「くそっ!」
ニイちゃんが鼻を押さえながら逃げて行った。
ポカーンとしている三輪に、和真は言う。