僕達の恋愛の仕方-1
「ねぇ、家庭教師。」
「浅倉先生って呼びなさい。」
「家庭教師はさぁ、彼女いないのー?」
「いねぇよ!」
「うわぁ、めっちゃドンマイ!」
「それより、問3!まだ出来てねぇのかよ!」
「だぁって、家庭教師が教えるの下手なんだもん!」
「オレのせいにすんな!お前がバカなのは努力しないからだろ?」
「あー!?バカって言ったね?ママに言うよー?そしたら家庭教師クビだね。」
「うっ……それは……。つーかお前の成績が上がらねぇとどっちにしろオレはクビなんだよ!」
「家庭教師が教えてくれればいーじゃーん!」
「だぁ、教えてるだろ!?だからバカは嫌いなんだよ。」
「……………………。」
「ん?」
「……………っ。」
「な、な、な、何泣いてんの!」
「だって、家庭教師が……嫌いって言ったじゃん……。あたしのこと……」
「それで泣いてんのか?」
「うっ、うう〜……。」
「なんだよ、可愛いところあるじゃん。」
「ちゃんとっ、やるからさぁ〜……。嫌いにっ……なんないでぇ‥‥!」
「……大丈夫だよ。本当は嫌いになってないから。あれは、まぁ、お前が可愛くないことばっかり言うからじゃん。」
「ふえぇ〜〜…。」
「ほら、おいで。ギュッてしてやるから。」
「子供扱いすんなよ…。」
「彼女扱いしてます。」
「いーの?可愛くないことばっかり言うよ?」
「今まで言われてきて嫌いになんなかったんだから。むしろ可愛らしいというか‥……。素直なら素直で可愛いけど。」
「彼女にしてくれる?」
「ぜひなって下サイ。」
「やったぁ、うれしい!純、よろしくね。」
「こちらこそよろしく、麻依。」
「よし、勉強するか!」
「えぇ〜〜…………。」
「がんばったら、ご褒美をやろう。」
「何くれるの?」
「ちゅーしてやる。」
「がんばろっかなぁ〜…。」
「また可愛いこと言ってくれるね、きみは。」