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ひよこ日和
【片思い 恋愛小説】

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ひよこ日和-2

友達はみんな言います。告ればいいとか、待ってたって何も始まらないとか。だけど、そんな勇気なんかない。自分に自信がない…。悲しいほど臆病な裏側の私が見えてしまう。


可愛いたまごを拾ってから、1日が経ちました。今日はとてもよい天気。このたまごは、まだ暖かみを帯びながら、じっとしています。


私はあったかいココアを飲みながら、またあなたの事を考えました。


思えば私は男性に告白なんかしたことなかった。自分の心の内を伝えることで、嫌われたりしないだろうかと思って、いつも逃げていた。


それに、フラれるに決まっていると勝手に判断していた


周りの友達はみんな、嘘みたいに出会いと別れを繰り返している。私の場合はどうなんだろう?視界に映るのが出会いで、視界から去るのが別れになっていたのかな。


寂しいよ…


寂しくて、寂しくて…


そして、悔しくなった…


私は気が狂ったように家を飛び出した。息が切れるほどに走った。

私の足が向かう先は、彼のアパートだった。


気がついた頃には、もう彼の部屋の目の前にいた。


ピンポーン


鈍いインターホンの音が見えないその向こうに鳴り響いた。彼はいるのだろうか…?私の心臓はすでに破裂寸前だった。


ガチャッ…


息が整う前に、ドアが開いてしまった。そこからは、寝ぼけた顔をした私の好きな人が出てきた。


「どうした?いきなりこんな所まできて…」


私はもう逃げられない事を悟った。なのに、足が少しずつ後ろに引いている。


今、言うしかない…


今しかないんだ…


私は彼の足下目線で、呟くような小声で言った


「あの…。あなたが………好きでして…その…よろしければ…お付き合い……していただけないでしょうかぁ…」


こんな小声で言うだけで精一杯だった


彼は少し困っている様子だった。

もうだめだと思った。


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