佐智子さんの話。-4
その数日後、ふと見ていた新聞の死亡欄に目を疑った。
――誠二郎。
誠二郎の名前が載っていたのだ。
不運な事故だったらしい。
佐智子は葬式にあの真珠のネックレスをつけて、参列した。
そこには綺麗な奥さんがいた。子供も―――
あの時、もし誠二郎さんについて行っていたら………
今とは全く違う未来だったのにね。と笑って私に言った。
でもね、もし誠二郎さんと結婚していたら、あんたに会えなかったからね。
そこは、あのハゲ親父に感謝しなきゃいけないよね。
あの世に行ったら誠二郎さんに会うんだ。
と、私の母は笑って言うのである。
――だが、私は思う。
あなたが人生の分岐点を間違えたことによって、私のような有害オタクが産まれてしまったのだよ。ママン。とね!
おわり