『I need you.』-2
「どうだった?」
「いつも通り。よかったよ」
「そっか。よかった」
「……ねえ」
「ん?」
「寒いね」
「そう? 今日は暖かい方だと思うけど」
「気候じゃないよ、心がだよ」
「ソウデッカ」
「……I need you、か」
「ごめん聞こえなかった、何て?」
「別に」
「ソウデッカ。ナニ、何か悩みあんの?」
「言わなかったっけ? 寒いの、最近」
「じゃあ僕が暖めてあげよう」
「いいや、やっぱ」
「寒い方がいいの?」
「うん、楽は楽だと思う」
「ソウデッカ」
「…あのさ」
「うん?」
「暖かかった。ありがとう」
――そうして私達は別れた。
言えば別れずにすんだのかもしれないけど、でも言わなかった。
だって束縛は、違うと思う。