『THE ENDLESS』外伝〜光羽編荒の章-5
「……帰ろう」
颯葉が言った。
俺は颯葉の肩を借りて戻って来た。情けない事この上ない。
扉を開けると、不可解な物が見えた。
「颯葉…あれは…」
「鋭刃とシエルの装備品一式だな…?」
卓の上に手紙があった。颯葉が手に取り、開く。
『恥ずかしながら、皆を見捨てて逃げ帰ってきてしまいました。もうこのギルドには居られません。装備品については好きにして下さい。』
手紙を持つ颯葉の手がわなわなと震え出した。
「裏切りか…」
静かだが、確実な怒り。
「怒らないでくれ。二人は悪くない」
「しかし…」
「今日の大敗は、全て俺の責任と言っていい。颯葉、俺が誰にも負けない力を得るまで、マスターになっていてくれ。新しいギルド名も、頼む…」
「光羽…」
鋭刃とシエルが居なくなった以上、もうこれまでのギルド名は名乗れない。それも、俺の責任だ。颯葉にはマスターになってもらわなければならない。二度とこんな失敗を犯さない為にも。