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春一番
【学園物 恋愛小説】

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春一番-2

次に目を覚ましたのはチャイムの音でだった。何時かと思って携帯をズボンのポケットからだそうしたら自分の体に何かがかかっている。
俺の学ランだ。辺りを見回してみたらそこにいたはずの委員長はもういない。なんだが少し残念だ。

しかたないかと呟きながら起き上がる。そして学ランを着ようとすると、ハラリと一枚の小さな紙切れが落ちた。その紙切れには、

「学ランありがとね、お礼は右ポケットに入れておくよ。起きたらはやく授業きなさいね。私龍虎君いないとつまらないし、寂しいのよ(笑)」

と、細く綺麗な筆跡の委員長の字があった。学ランの右ポケットの中を手探りすると小さなチョコレートが3つ入っている。

包みをほどいてそれを口の中に放り込む。甘い、甘い味が口内に広がった。

少し肌寒い風が吹いているにも関わらず、俺の心はチョコレートの甘さのせいか温かくむずがゆかった。

春一番も多分そう遠くないような気がした、そんな今日この頃。


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