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姉と。‐朝‐
【片思い 恋愛小説】

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姉と。‐朝‐-1

『由紀(ゆき)、朝ご飯できたよー。』
姉の深月(みつき)の声が家の中に響く、朝の光景。寒いが、しぶしぶ起きる。『おはよう。』
『・・ぉはょぅ。』
テーブルには既にトーストとハムエッグにサラダ、そしてコーヒーが置かれている。
『・・今日は洋食かぁ。』『たまにはいいでしょ?』深月が楽しげに返事をする。料理の腕は確かなので和だろうが洋だろうが心配はない。異論を唱えることもなく席に着く。
『姉さんの料理はおいしいから、未来の旦那さんは幸せだろうな。』
『当たり前よ。さ、早く食べて。片付けたいから。』得意げな仕草が可愛いな・・と思いつつ、
〈私のお婿さんは、由紀以外考えられないわ。〉
なんて事を言われる画を頭の中に浮かべる。
『なにをにやけてるの?』『い、いや?何もっ。』
照れ隠しでトーストにかぶりつき、コーヒーで一気に流し込む。

−数分後。
『鍵、閉めた?』
『うん、OK。』
返事をしたと同時にヘルメットが投げられる。
『今日は風が気持ち良いから・・飛ばすわよ。しっかり掴まってなさい。』
『遅刻しない程度に頼むよ。』
深月は笑顔で返すと、バイクにまたがる。その姿はそこいらの男よりも遥かに格好いい。由紀も続けてまたがる。

−そして今日も、デート代わりの朝のツーリングが始まる。


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