茂木くん-1
―とても暑い7月―
「今から合唱祭の指揮者と伴奏者を決めたいと思うが誰かいないか〜?」
「「………」」
先生が聞いても誰もやりたくないらしい。
「じゃあ、また明日聞くので考えて来てくれ!解散〜!」
ようやくホームルームが終わり藍音は親友の紗千と話ていた。
「指揮と伴奏かぁ〜!あれ?去年、紗千ちゃんやったよねぇ?今年はやらないの?」
「指揮なんか大変だよぉ〜!みんな自分勝手でまとまらない(まぁ、みんながやらないんだったらやってあげてもいいけど〜!)」
紗千はかなり強気である。
「そうなんだ……(私には人をまとまめるなんて無理だなぁ)」
「そんな事より私、今日用事で部活行けないから!じゃあ」
紗千は急いで帰ってしまった。
「今日はせっかく新しいラケット見せようと思ってたのに」
藍音はガッカリしながら体育館へ急いで行った。
―練習後
藍音は部室から暗くなった廊下を昇降口まで走って行く。
「コッ、コワイ〜!!(泣)」
半ベソをかきながら音楽室の前を通ると
『♪〜 ♪〜♪』
暗い音楽室からピアノの音が!!
「イッ……ヤァ〜ァァア」
大声で叫び、腰が抜け動けなくなった。
―ガラッ
「あれ?宮下さん??何してるの?」
音楽室の中から出てきたのは藍音のクラスの茂木だった。