Deriving Story〜継続〜-1
う〜ん、ゆうき〜、カワイイな〜
「大変だ琴美！起きろ！！」
なによぉ、せっかく優希とおふろ入ってる夢見てたのに
それにお姉様と呼べと日頃から言ってるのに
「なぁに？」
朝から起こる気力も沸かないわ
「和史って人が来た！」
かずし！！
「・・・って誰？」
誰よそれ？
「琴美の彼氏だって！」
・・・私の彼氏？
「・・・あ」
Deriving Story〜継続〜
はぁ、そうだすっかり忘れてた、私はこいつと付き合うことになったんだった
あの時はつい興奮してあんなこと言っちゃったんだよね
私の好みじゃないのに
チラッ
うん、違う
全然、パパと違う
あ、私の好みはタケルくんって言ったけどあれは作り物の世界でのこと
現実ではパパが理想なのよね、目と髪は黒いけどカッコいいし、性格も良いし
ママはどこであんな良い男見つけたのかしら？
今度聞いてみようかな
と、今はそれよりも、現状をどうにかしないと
「・・で・」
やっぱり謝って別れるとか？
「・ぇ・い・・」
う〜ん、でもどう切り出せば
「ねぇ！」
キャッ！
びっくりした、いきなり目の前に現れるんだもん
「なに？」
「なにじゃなくて、聞いてた？」
「ううん」
「そ、そっか」
なによいきなり沈んで失礼ね
「それよりいきなり家に来て一緒に学校行こうって、どういうつもりよ？」
「どういうつもりって？」
「なにがしたいのよ？」
「なにって、ただ一緒に学校行きたかっただけだよ」
はぁ
「あっそ」
やっと学校に着いた
ここなら安心だ
あいつは意外に人気があるし私もクラスの子と話すから易々とこっちには来れないだろう
放課後はしつこいけど
「えぇ！マジかよ！！」
ん、なにかしら？
「和史って琴美さんと付き合ってるのか！」
ブッ！！
な、な、なに！？
なにが起きたの！？
あ！
あいついきなり言い触らしやがった！！
「ちょっとこっち来い！！」
「え、なに琴美ちゃん？」
私は和史を人気がないところに連れ出した
「なぜバラす！？」
私は開口一番そう切り出した
「なにを？」
「なにをって、決まってるでしょ！付き合ってるってことよ！！」
「あぁ、それ？言いたかったから」
クッ！こいつ！
「別に良いでしょ？」
「良くない！！」
「なんで？」
なんでって、そう言われるとなんて言えばいいんだろ
「そろそろ戻らない？」
くぅ、結局なにも言えなかった