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Deriving Story〜遭遇〜
【コメディ 恋愛小説】

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Deriving Story〜決闘〜-1

はぁ、なんでこの私がこんなに悩まなきゃならないのよ
どうしよっかな・・・

Deriving Story〜決闘〜

「ねぇ琴美ちゃん、一緒に帰ろ!」
またか
「イヤ」
「えぇ、そんなこと言わないでさぁ」
「しつこい!」
やれやれ最近あいつがしつこく付きまとってくるのよね
おっと、挨拶がまだだったわね
私は琴美です、はい終わり

次の日もまた次の日もあの男はしつこく私に付きまとってくる
「琴美ちゃ〜ん」
また来た
「琴美ちゃんってば」
ムシムシ
「ちょっと待ってよ」
しつこいなぁ
「琴美ちゃん!!」
「なによ!しつこいわね!!」
え?
な、なに、全速力でこっちに向かって走ってくる
キャ!

バシッ!

ん?
「危なかったね」
なにが?
とっさに目つぶっちゃったから、なにがなにやら
「やっぱり気付いてなかったんだ」
「なにが?」
「野球のボールが琴美ちゃん目掛けて飛んできてたんだよ」
じゃぁなに、私はこの男に助けられたの?
別にあんたなんかに助けられなくても華麗に舞うように避けれたわよ!
フンだ!
「あ、琴美ちゃん」
私はあいつのことをムシして帰っていった

翌日
よくよく考えてみたら助けられたのは事実なんだからありがとうぐらい言った方がいいわよね
「ね、ねぇ・・・」
あ、聞こえてない
はぁ、感謝される事は今までなんどもあったけど、感謝することなんて数えるくらいしかないからなぁ
『ありがとう』って言うのも難しいのね
「どうしたの琴美?」
「え、別になんでもないよ」
「なんだついに琴美にも春が来たのかと思ったのに」
春?
「ないない、琴美に限ってそんなことあるわけないじゃん」
む、そう断言されるとなんだか腹が立つ
「私だって恋の一つや二つしたことあるわよ!」
「へぇそうなんだ、誰に?」
誰にって
「それはぁ・・・」
なんでここであいつの顔が出てくるのよ!
「ほらないじゃない」
フン!
「あ、琴美怒らないでよ」
「怒ってない!」

はぁ、結局ありがとうって言えずに帰ってきちゃった、なんでこんな簡単な言葉が言えないんだろう?
それに今日はいつもみたいに言い寄ってこなかったし
・・・まさか、嫌われた?
べ、別にあいつに嫌われたからって私には関係ないし、そうよ好都合ってやつよ!
なのに、なんでさっきから溜め息つきっぱなしなんだろ?
そういやさっき言われたっけ、春、恋ねぇ・・・
あ、あいつに恋なんてしてないんだからね!
それなのに、なんでさっきからアイツの事ばっかり考えてるんだろう?
私の好みと全然違うのに!
ガタンッ!ガタガタ!ガサゴソ
これよ!
『碧い瞳の王子様』
これのタケルくんこそ私の理想の男性よ!!


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