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ONE DAY 〜呆れるほどの日常〜
【学園物 恋愛小説】

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ONE DAY 〜呆れるほどの日常〜-1

ピピピ、ピピピ……

無機質な音が部屋に響く。それが目覚まし時計だとわかるのには少しかかった。
「もう、こんな時間か……。起きなきゃ…」

布団というかけがえのないパートナーから出て、目覚まし時計を止める。
静まりかえった部屋に小鳥の鳴き声だけが聞こえる。
「……飯、作るか」

一人そんなことを言って、俺―橘 和也―は部屋を出た。


『One Day 〜呆れるほどの日常〜』


ジュ〜……

ベーコンの焼けるいい匂いがキッチンに満ちる。
俺は合間合間を見て、コーヒー、トースト、目玉焼きにサラダを準備した。

俺は今、一人で暮らしている。と言っても、親父と母さんが仕事でいないだけだ。
親父は仕事の関係でアメリカへ出張し、母さんはフリーのカメラマンとしてパキスタンにいる。
俺も二人が忙しいことは知ってるので家をあけてもなんとも思わなかった。帰ってきた時には変な土産もくれるし、なにより自由だし。


俺はさっさと朝食を食べ、片付けをして玄関に向かった。

ピンポォーン

『カズくん、起きてる?』
靴を履いていると、インターホンと女の子の声が聞こえた。
俺は玄関のドアを開け、先程の声の主に話かけた。

「悪い、待たせたか?」
「うぅん、時間ぴったりだよ」

女の子は微笑みながら言う。
俺は「そうか」と言って歩きだし、彼女は俺の3歩後ろをついてきた。


彼女は春日 奏(かすが かなで)。俺の幼なじみで家が数軒またいだ近所に住んでいる。
奏はうちの高校でかなり人気があり、幼なじみである俺はしばしば男子に恨まれてしまう。
そりゃそうだろう。料理が出来て、運動が出来て、性格がよくて、頭もいいのに顔も整ってるという全男子の理想的な女子と一緒にいるのだ。恨まれるはずだ。
まぁ、最近は気にしないが。


俺は奏と他愛もない話をしていた。昨日見たテレビとか今日の授業についてとか、そんなもんだ。
しばらく行くと、前方の交差点に人がいた。こっちにむかって大きく手を振っている。

「おはよーっ!和也に奏ー!!」
「おー、朝から元気だなぁ…」
「おはよ、詩織ちゃん」


詩織ちゃんこと、工藤 詩織(くどう しおり)。俺の第二の幼なじみ。
家こそ離れてるものの、昔から一緒に遊んだ、気心しれた仲である。
詩織も奏ほどではないが、人気がある。さばさばした性格がいいらしい。


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