ONE DAY 〜呆れるほどの日常〜-2
途中合流する詩織を含めた奏、俺の3人で登校するのが俺の日課みたいなものだ。
詩織は話題をだし、俺はそれに応対。奏はくすくす笑いながら俺たちをみる。
俺らは飽きもせず、そんなパターンで登校している。
しばらく歩くと、学生がまばらだか増え始め、俺らの高校の校門が見えた。
ここである奴もいたりするんだが………見つからない。遅刻か?
「お、和也だ」
いた。ごく普通にいた。
「先輩、おはようございます♪」
しかも和葉ちゃんもいた。頼むから2人とも、気配消さないで。
外坂 大輔。俺の高校からの友達。以上。
「なぁ、なんかいやな扱いされた気がするんだが」
「気のせいだろ?」
ちっ。妙に勘の鋭い奴だ。
和葉ちゃんは大輔の妹で俺らの1コ下の2年生。
ツインテールと大きな瞳が特徴で、しばしば3年生から告白されてるらしい。
なんでも【妹にしたい女の子】という裏アンケートで一位をとったからだそうだ。本人は知らないみたいだが。
「あー、あと1年でここともおさらばかぁ」
そんなことを大輔がつぶやいた。
「早いよね、時間って」
「まだ2年くらい、いれる気がしてたよ」
それに奏と詩織が首肯する。
「それじゃ、もっと楽しい思い出を作りましょうよ!」
「そうだな」
和葉ちゃんの案に俺は頷く。
それは事実だからだ。
時間は過ぎていく。振り返っても戻ることはできない。
だから、今から楽しい思い出を積み上げていくのだ。
今、この5人がいるいつもの風景も、楽しい思い出なんだ。
少なくとも、今の俺はそう感じている。