シンデレ・・ラ?-1
この話は「俺と俺様な彼女」『俺らの明日』のキャラ達によるシンデレラのパロディです。二つの話を読んでないとわからないのでご注意ください。
〜シンデレ・・ラ?〜
昔々、とある貴族の家に継母と義理の姉に苛められている、大層可愛らしい娘がおりました。
「…意味わかんねーよ。なんで俺がシンデレラなんだよ。」
名前をシンデレラ、ミドルネームをスーマと言います。
「普通俺が王子だろ。そんで先輩がシンデレラ…いや、どっちかっつーと義姉か。」
「シンデレラーー。」
「は〜い、なんでしょうか、お姉様。」
「昨日この服を洗濯しといてって言ったのに何でやってないのよ!」
「ごめんなさい、お姉様。」
「…そんな目で俺を見んなよ。俺だって好きでやってんじゃねーんだから。」
「台本通りやりやがれ、でございます。お姉様。」
「わかったよ。」
「シンデレラーー!!風呂場掃除しとけって言ったでしょうが!!このグズ!」
「ゆ、結衣?」
「ちょっ、なんでそんなにノリノリなの?」
「悪い?」
「いや、悪くはないけど。」
「俺的には悪いよ。」
「先輩から『私の代わりに思う存分苛めといて』って言われてるのよ。それに私も楽しいし。」
「・・・」
先輩じゃなかったから安心してたのに。そりゃあんまりだよ。
「思わぬ伏兵がいたな。」
「ああ。」
「あ、あの、シンデレラさん。その、良ければお庭のお掃除を。」
「良いよ、八重ちゃん。命令形で。」
「い、いえ、そんな。」
「はぁ、八重ちゃんがお義母様で良かったよ。癒される。」
「えっ、えっ?」
「あ〜、先輩にチクっちゃお〜。」
「ごめん、マジで洒落になんないから止めて。お願い。」
「冗談だよ、冗談だからそんな目で俺を見るな。居たたまれなくなる。」
「パブロフの犬みたいね。」
「恐怖が条件反射。」
「泣くぞ。」
「すまん。」
「あの、先に進めていいですか?」
「あ、ごめん。いいよ。」
「お母様〜、お城から招待状が届きました。」
「あら、じゃあさっそく準備しないと。」
「シンデレラ、このドレス洗っときなさい。」
「これも。」
「これもよ。」
「なぁ、ひとつトランクス混じってんだけど。」
「ああ、すまん。」
「公私混同すんなよ。」
「わりぃ。」
「ふぅ、私も舞踏会に行きたいわ。」
「ふん、お前のような庶民が行けるわけないでしょ。」
「仮に行けたとしてもお前のようなクズは王子に相手にしてもらえないわよ。」
ちょっと結衣、言いすぎだよ。クズは止めてよ。
「すいません。」
「じゃあ洗濯しとくのよ。」
「あと掃除もね。」
「わかりました。」