まやかしの安心-3
「すっかり暗くなっちゃったね……」
日誌を前に、知伽は小さくため息をついた。
頼まれた提出物の整理で、日直の仕事がずいぶん長引いてしまったのだ。
「恵の白状者……」
先に帰った恵に八つ当たりをしてみるが、徹の耳はしっかりとそれを捉えていた。
「じゃあお前、一緒に帰るためだけに他人の日直を何時間も待っていられるのか?」
「……聞いてたのね。案外神埼君って意地悪」
「そりゃどうも」
取り留めのない会話をしながら、時折ふと思い出すのは、勇一の意味ありげな笑み。
裕美子のパートが終わるのが8時。時計を見ると、すでに7時を過ぎていた。
「何か用事でもあんのか?」
「な、何もないっ!!」
思わず声を荒げた知伽に、徹は不思議そうな表情を浮かべたが、それ以上何も聞かなかった。黙々と、知伽は日誌を書き続ける。
それからは会話もなく、十数分後には全ての業務が完了した。
「終わったーっ!」
知伽は大きく伸びをして、職員室へ走って行った。
校舎を出ると、すっかり日は暮れていた。先に帰った恵に、改めて白状者と当たりたくなる。
歩き出そうとしたところで、校門の影に待ち人を見つける。
「神崎君?」
小走りに駆け寄る知伽の目に映ったそれは、徹ではなく勇一だった。
「勇……お父さん?」
片手を上げてそれに応える勇一。
「あんまり遅かったから、迎えに来たんだ」
「ありがとう!」
知伽は、義父の来訪を心から喜んでいた。
刹那、唇に触れた感覚に驚いて辺りを見回す。
「誰もいやしないさ」
勇一は舌をねじ込もうとするが、知伽は細い腕で身体を押しのける。
「ダメ……ここじゃ……」
「……分かった」
勇一はにこりと笑うと、知伽の肩を抱いて帰路とは反対の方向へ促した。
辿り着いたのは人気のない公園だった。昼間は子供がはしゃぐ声でいっぱいだが、闇の到来でその表情は一変する。
経験の浅い知伽にも、これからすることは想像がついた。それでも逃れようとしないのは、麻薬のような快楽が恋しいからだった。
道を外れて、茂みに入る。立ち止まり、知伽を膝まづかせると、勇一はズボンのチャックを降ろした。
「これからすること、分かってるよな?」
知伽は、こくんと頷いて、恐る恐るそれを手にした。ゆっくりとしごきながら、舌先を使って先端を舐める。杭はみるみるうちに大きくなり、天を向いた。
剛直したモノを口いっぱいに頬張り、じゅぷじゅぷと音を立てて吸い付くと、勇一は大きく息をついた。
「ずいぶん上手いじゃないか。さすが裕美子の娘だな」
母親の名に罪悪感を覚えるが、目の前の快楽を求める余りにそんなことはすぐに忘れてしまった。勇一が感じていることが分かると、ますます力が入る。手では袋を優しく転がす。
「イクよ、知伽!」
勇一は唇から剛棒を引き抜き、知伽の顔面に向かって白い液体をぶちまけた。
指にとって知伽の口に運ぶと、愛おしいものを愛撫するかのように舐めまわす。
片方の指を口の中に残したまま、知伽を立たせて、空いた手で秘部をまさぐる。すでにそこは湿り気を帯びていた。
「いやらしい娘だな、俺のこれ見て感じちゃったのか知伽は」
「だってっ……!?」
ショーツの隙間から強引に侵入する指に、膝の力が抜ける。すんでの所で勇一の身体にしがみつくが、細い径に入り込んだ中指は容赦なく襞を攻めつける。
「あっ…イヤっ……」
「嫌じゃないだろ、知伽」
人差し指もすんなりはいるほど、愛液は溢れ出していた。
勇一の欲望も回復し、どくどくと脈打っている。
「知伽、後ろを向け」
頼りなげに後ろを向き、木の幹に手を付く。突き出された腰をしっかりと手のひらに収め、勇一の肉棒が知伽を貫いた。
「ダメ、イっちゃうっ!」
外での性行為が羞恥心を刺激し、知伽の身体はあっという間に頂点へ駆け上がる。
「もう少しだ、一緒にイこうな知伽」
液体の踊る音も聞こえぬ位に激しく二人の肌は打ち付けあう。
知伽の身体ががくりと崩れると同時に、恥穴は一気に収縮する。耐え切れずに勇一は、欲望を知伽の中に吐き出した。