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ショートショート 怖い話
【ホラー その他小説】

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ショートショート 怖い話-1

  1.誰がいる?

家に帰ってきてまず感じたのは、明らかな違和感。
おれは思わず足を止めて、廊下の奥を見た。
おれは一人暮しで、彼女もいない。部屋のなかにだれかがいるはずもない。なのに家のなかからは、確実にだれかがいる気配がした。
泥棒、か?
そっと息をすまして、家のなかに踏み込む。そのままリビングに向かう。
そこには、だれもいない。
台所、押し入れ、トイレまで探すが、だれもいない。
気のせいかな、と思いつつ洗面所の戸を開けた。
ふと鏡を見る。
絶句した。
鏡のなかのおれは、おれを見ていなかった。
体が硬直する。
鏡のなかのおれは、一瞬遅れて思い出したようにこっちを見る。
そして、ニヤリと笑った。





  2.エレベーター

夜中、エレベーターに乗り階数ボタンを押す。
最上階の、14階。
扉が閉まり、ゴウンと機械音がして、上昇を始めた。
5…6…7…
それに合わせて、階数ボタンの上の液晶画面に数字が点る。
11…12…13…
やがてエレベーターは14階にたどり着き、そして、通り過ぎた。
え、と声を漏らした。
機械音が続き、数字が増えていく。
15…16…17…
存在しないはずの階数を上がっていく。
どこまでも。





  3.人違い

「あ、ササキさん」
後ろから呼び止められた。
「なんですか?」
僕は返事をしながら振り向いた。
だけど、そこにいた女性は僕の顔を見るなり、
「あ、すみません。間違えました」
と言って去っていった。
でも、僕はササキだ。
同じ名前の誰かと間違われるなんて、珍しいこともあるもんだな。
しばらくすると、今度は知人の声がした。
「おう、ササキ。探したぞ」
だけど僕が振り向くと、その人はこう言った。
「あ、ごめんなさい。間違いでした」
その人は去っていく。
僕は、ササキじゃないのか?
…じゃあ、僕はだれ?





  4.夢

はっと気付くと、空高くを飛んでいた。
雲で地面が見えないほど高い。
体がプカブカ浮いている。これは夢なんだと気付いた。
夢のなかなら恐くもなんともない。
私は自由気ままに空を飛び回ることにした。
雲のなかを突き破り、風をきる。鳥になった気分だ。
突然、浮遊感が消えた。
体が落ちていく。私は慌てて目を覚まそうとしたが、いっこうに夢が終わる気配がない。
そうこうしているうちに、いつの間にか地面が近付いている。
私の体は、地面にたたき付けられた。
それでもまだ、夢から覚めない。
かわりに激痛がした。
地面に、血だまりが広がる。


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