有無-4
でもそうだよ。
俺……
死んでるんだ……
真実に気が付くと、だんだん眠くなってくる。
力が抜けて、腕や足が…透け始めてる。
「…ありがと、春。
俺…思い出したみたいだよ」
でも、どうして…?
どうして、死んだんだっけ…俺?
そこで意識が途切れる。
「ごめんね、シュン」
私…シュンに嘘ついちゃった。
本当は…私も死んでるんだよ。
それと……シュンを殺したのは、私なんだ。
私は、ずっと前に死んでて…だけど……
何故かシュンには、私が見えた。
これも、また…運命だったのかな?
名前に引き合わされて出会った…私たちの、不思議な運命……
君と出会って…私は、弱くなった。
シュンといるのが楽しかったから、一人であっちの世界に戻るのは寂しかったから。
ごめんね。
「また、あとで会おうね…春」
Fin.