あの日の僕-1
あの日の僕は、何処へ行った
ここにもいない
あそこにもいない
何処に行けば会えるのか
何処に行っても会えないような
そんな不安を抱えながら
暗い不確かな道を行く
あの日の僕は何かを無くして
それでも歩いて行かなければいけないと
自分じゃない誰かの手が背中をおした
怖いと泣く僕の手は空(くう)をつかんだ
周りは知らない人ばかり
それでも歩けと
それでも進めと
それでも見ろと
だから僕は前を見た
震える足が
震える声が
震える手でもがいて行った
ああでも、本当は知っている
俺はあの日の僕を探すけど
決して出会えはしないまま
この偽りの中でまどろみ続ける