俺と俺様な彼女 〜12〜-1
「え〜、また、二年生はいよいよ受験生となるので・・・」
「おい、憲一。」
「何だ?」
「ジュース一本おごるからあの校長を狙撃してくれ。」
「無理だな。デメリットのほうがでかすぎる。」
「なんであんなに話が思い浮かぶんだろうな?」
「まぁ、数少ない出番の一つだからな。仕方ないだろ。」
「明日から春休みだってのに。」
「仕方ねえよ。学生の宿命だと思ってあきらめろ。」
〜そうだったんですか〜
『谷岡〜』
「はい。」
『ほれ。学年末頑張ったな。』
「どうも。」
「どうだった?」
「ああ、学年末のおかげで結構良かった。」
「ぐわっ、負けた。」
「結衣は?」
「まあまあよ。」
「へぇ、結構いいじゃん。」
「しかし、これでこのクラスともお別れだな。」
「ああ。なんだかんだで早かったな。」
「来年も同じクラスだといいのにね。」
「そればっかりはどうしようもねえな〜。祈るしかない。」
『お〜い、憲一〜、数馬〜、太田さ〜ん。クラスのみんなでカラオケ行こうって話出てんだけど行くか〜?』
「おお〜、行く行く。」
『そっか、じゃあまた後でな。』
「数馬も行くだろ?」
「ああ、ちょっと先輩に電話してくるよ。」
「というわけなんで、今日は一緒に帰れません。」
「わかったわ。私のクラスもご飯食べに行く話出てたからちょうど良かった。」
「じゃあ、また。」
「あっ、数馬?」
「はい?」
「明日空いてる?」
「空いてますよ。」
「じゃあ、ちょっと出かけない?」
「いいですよ。じゃあ、また夜に電話します。」
「うん、じゃあね。」
「デートか?」
「そんなとこだ。」
「なんかもう行くみたいよ。」
「おっ、じゃあ行くか。」
「そうだな。」
「ぷは〜、歌ったな〜。」
「声嗄れてんぞ。」
「お前もだよ。」
「でもこれでこのクラスともお別れね。」
「まあ、卒業するわけじゃないんだし、そんな気を張ることでもないっしょ。」
「そうそう、どうせ何人かとは同じクラスになるんだしな。」
「てめえとは別れたいがな。」
「こっちのセリフだ、憲一君よ。」
「とか言っててまた同じクラスになるんだろうな。」
「ああ、今までもそんなパターンだったしな。」
「いいじゃない、別に。」
「結衣、それは違うぜ。こいつがクラスにいるのといないのとでは新鮮味が全然違うんだよ。」
「そんなものなの?」
「そんなものだ。」
「そういやお前先輩に電話しなくていいのか?」
「どわっ、忘れてた。」
「命知らずだな。」
「心配しなくてもまだ起きてるわよ。」