彼のキモチ2−彼女のキモチ?−-1
オレの名前は佐倉夕夜。好きな人?もちろん居る。片思いだけど。
友達が言うにオレの外見は悪くないらしい。そうかぁ?うーん、自分だと分からん・・・。
比較的女友達は多く、いろんな人と喋るけど、オレの片思いの相手はあまり話してくれない。まぁこっちからアタック(死語?)するのみ。
と、強気なことを言いつつも相手の前だと緊張を隠すので精一杯だ。
いったん外の空気でも吸うか。
オレは教室のドアをあけて、廊下に出ようとした。
−どんっ
「わぁ!ごめんなさい!!」
オレはバランスをとることができたが、相手のほうはしりもちをついたようだった。
その今しりもちをついている子こそ、オレの片思いの相手・椎名 葵だった。
「ごめっ、大丈夫?って大丈夫じゃないか。」
緊張する。いつも話してる女友達にはこんなに緊張しないのに。
「だ、大丈夫です!」
あ、アタックしなきゃ!チャンスなのに!!
「散らばっちゃったね。ゴメン!日直の仕事、一人で大変でしょ、この量は。手伝うよ。」
やべぇ、目ぇ見れねぇ。心臓よ、静まってくれ!
「ありがとう。」
そういって、彼女は少し笑った。オレに向かって笑った・・・!!
「オレ、椎名さんが笑ってんの初めて見たっ!」
本当は初めてではない。一日中目で追っていて、笑ったところを見ないってのはない。ホント、反則だろ。かわいい・・・!
「え?」
「カワイイね!」
言ってから恥ずかしくなった。彼女の顔が赤くなっていく。うつむいている彼女がかわいくて仕方がない。
顔が赤いことに変に突っ込むと嫌がられそうなのでやめた。
「よし!拾いおわった!」
拾ったものを教室のなかに運んだ。
「どうもありがとう。助かった!」
「どういたしまして。」
彼女とこんなに話せるとは!と思うとうれしくて気分は有頂天だった。
やっぱ、かわいいゎ。
そもそも、オレが彼女を好きになったのは、入学して間もない頃だった。
ある日の昼休みの時間。