俺と彼女。-2
「本当、お前といると飽きないよ。」
「…!!」
俺から彼女の表情は見えないけれど、彼女はきっと顔を真っ赤にしているだろう。
「…あたしも」
と、彼女は口を開き、彼女もきゅっと手に力をこめた。
「ん?」
「あたしも…楽しいよ。」
「…ふ-ん。」
変な間に気付いたのか、彼女は体を起こす。じっと俺の顔を覗き込んだ。
「…何でにやにやしてんのよ。」
俺に疑うような視線を向けてくる。
「だってさ、からかわれて楽しいとかさ、お前Mだな。」
喉をならして笑うと、彼女はわなわな震えて叫ぶ。
「なッ!!こんのドSがぁぁ!!」
「ははッ最高の誉め言葉だな」
恥ずかしさと怒りで顔が赤い彼女の瞼に軽くキスをおとして、俺は目を閉じた。
「駅着いたら起こして。」
キスをした途端静かになった彼女に、体を預ける。
「…もぉ、しょうがないなぁ…」
そう言って彼女は、自分から俺にもたれかけた。
彼女の体温と俺の体温が重なって気持ちがいい。
彼女からまたいい匂いが広がるのを嗅ぐと、俺の意識は次第にまどろんでいった。
恥ずかしがりやの彼女と意地悪な俺。
そんな毎日。
<完>