考え方 生き方-1
思えば私は荒んだ、歪んだ考え方をしてきた。
他人を馬鹿にして、見下して生きてきた。
例えば、
学生時代、学校の教職員に反抗ばかりしていた男。
例えば、
付き合って一ヶ月で記念日、二ヶ月でも記念日。
社会人にもなって、毎月毎月、私を拘束したがった女。
他多数。
彼ら彼女らの思考は、私からすれば、酷く幼稚で短絡的で。
若い頃は、そんな彼ら彼女らが、酷く苛立たしかった。
教職員から頭髪や服装にケチをつけられて、「自由」なんて免罪符を振りかざす前に、学業成績を上げるべきだ。
それ以前に、わずか三年、あるいは六年の我慢だ。
何故堪えられないのか。
刹那的衝動に任せるだけなど、野性生物と変わらない。
平均1.5キログラムもあるという人間の脳。
君のそれは飾りなのか?
「私より仕事が大切なの?」なんて、答は決まってる。仕事の方が大切だ。
君がいなくても食っていける。
仕事がなければ食っていけない。
それだけでも優先度の違いは明らかだ。
そもそも、君には恋愛、芸能、服飾以外に興味の対象はないのか?
私は、こんなことばかり考えて生きてきた。
過ぎ去った日々に、彼ら彼女らは私を罵った。
けれど。
私はこれからもっと罵られるだろう。
「官僚」
「政治家」
「大学教授」
「弁護士」
金銭のゴシップが絶えない職業だから。
それでも。
私は、いや我々は気にしない。
私には、友人が少ない。
けれど。
数少ない友人達は、皆一様に優秀で。
皆、私と似た考えを持っている。
とりあえず。
私は昨年末に昇進して。
友人は春から助教授になって。
別の友人は一昨年、自分の事務所を開設した。
私たちは、穿った考え方を、曲がった生き方を、まだまだ通して行く。
楽しくなるのは、これからだ。