俺らの明日FINAL-2
〜進路編〜
『それではこの進路調査書を来週の火曜日までに提出すること。じゃあ今日はこれで。』
「進路かぁ〜。」
「お前どうする?」
「まぁ、普通に進学かな。」
「そうか。」
「お前は?」
「俺もそのつもり。」
「よう、進路どうすんだ?」
「俺らは進学。宮本は?」
「進学だな。」
「どこ受けるつもりなんだ?」
「まだ決めてない。」
「おーい、賢治〜。」
「ん?なんだ?」
「ちょっと来いよ。」
「なんだ?」
「お前は進路どうすんだ?」
「進学だよ。」
「どこ受けんだ?」
「防衛大。」
「は?」
「え、何て?」
「だから防衛大。」
「防衛大ってあの自衛隊の?」
「ああ。」
「冗談だろ?」
「いや、本気だ。」
「おいおい、マジかよ。」
「何でだ?」
「なんか、日本の役に立ちたいなぁって。」
「なんでそれで自衛隊なんだよ。」
「そうだよ。他にも選択肢あるじゃん。」
「それに今は止めとけよ。かなり不安定な状況なんだから。」
「だからだよ。別にノリとかそんなんで決めたんじゃなくて結構真剣に考えたんだから。」
「・・・へぇ。」
「・・・なんか。」
「なぁ。」
「ああ、かっこいいな。」
「どうせまた耳たぶがとかいうんだろ?」
「いや、今回はマジだよ。」
「ああ、俺らの中で一番かっこいいと思う。」
「よせよ、柄にもない。」
「・・・」
「・・・よし、決めた!!」
「うぉ、どうしたんだよ?」
「俺刑事になる。」
「おいおい、お前までどうしたんだ?」
「ガキのころの夢叶えんだよ。」
「けどお前、前の酔っ払い事件の時に、やめるとか何とか言ってたじゃねーか。」
「あれだって立派な仕事の一つだよ。」
「おいおい、マジかよ。」
「賢治ごときがこんなに考えてんだ、俺だって真剣になるさ。」
「おいコラ、てめぇ。」
「いや、冗談抜きで賢治に触発された。」
「なんか熱血だな。」
「若いから許されるんだよ。。」
「ふ〜む。」
「じゃあ、俺は教師になるよ。」
「へ?」
「俺も熱血君になるわ。」
「お前が教師とか。生徒が可哀想だよ。」
「黙れ、俺は生徒想いの立派な教師になってやる。」
「哲夫、お前はどうすんだ?」
「しゃーねえ。じゃあ俺は政治家になるよ。」
「ぶはっ!!」
「お前それは無茶だよ。」
「もちろん衆議院議員とかは無理だろうけど、地方議員だったら可能性はまだある。」
「へぇ、結構考えてるじゃん。」
「俺一人置いてきぼりは御免だからな。」
「お前賄賂とかもらったりすんなよ。」
「そん時は俺が逮捕してやるよ。」
「あ〜、ちょうどいいじゃん。」
「言っとくけど俺はそんなことしないからな。」
「こういうこと言うやつに限ってやんだよな。」
「うるせ。」
「まぁ、とにかくこれで全員の進路は決まったわけだ。」
「すげぇ、五分で決まっちまったよ。」
「賢治のおかげだな。」
「だからやめろって。」
「照れてんじゃねーよ、ハゲ。」
「黙れ。」
「かっかっか。」