舞い斬る華 第八章-5
「お、俺、ちょっと老師に呼ばれてるから!」
椿は急いで服を着ると部屋から出て行った。
コンコン…コンコン…
椿は老師の部屋をノックする。
中から声がする
「おぅ。起きたか
入りなされ」
ガチャ…
「失礼します。」
っと、そこに追うようにシルディアも来る。
「ちょっと、椿ぃ
一人で先に服着ておいてかないでよぉ」
それを聞いた、開いているドアの向こうに老師、そして椿の硬直。
「ぁは…あはは…」
シルディアの乾いた笑いがその場を少し和ます
と、いつまでもこうしちゃおれないって雰囲気で老師は真面目な顔になる
「椿、シルディアちゃんも来てくれたか
ささ、部屋に入って」
二人は部屋に入るとドアを閉める。
洋室ちっくな二人の部屋とはガラリと違う畳張りの和室に、座布団が並んでいる。
そこに促されるままに座り込む二人。
改まって真剣な面持ちで老師が喋り始める。
「実はな…昨日は進むかわからない捜査で皆の休憩を妨げたくなかったので言えなんだが…
あの戦いの時に…あやつの乗っていたバイクの画像をうちの者がカメラに収めていてな
それを会議の時に見せてもらったのじゃよ。
そこでは何も進展はなかったのじゃが…
昨夜ワシ一人でそこに写っていたバイクのシリアル番号を見つけての
ナンバープレートなどは外されてたし、改造も施されていて苦労したのじゃが…
検索していたらそのバイクは政府の所有バイクとわかったのじゃ
国のなんらかの職員が襲われたときにでも盗難されたものとおもっとったが〜…
一つ気付いたのじゃ!
国で用意したものなら…そのバイクに居場所を特定するための発信機がついておるはず…っと…」
そして机の上に置いてあった端末を椿に見せる。
地図と思わしき図面の中央に赤の丸い点が光っている。
「これは…」
眺めていた椿は、ハっと何かを察知する!
「!!」
「そうじゃ…そのバイク…
この敷地内にあるのじゃよ。」
「ぇ…これはどういう…」
椿は驚きと混乱の入り混じった表情で聞く。
「わからん
そやつが乗り捨てたのを回収したのかもしれんし、
もしかしたら…そやつがココに潜伏している可能性も…ある」
老師は椿に見せた端末をまた見ながら言う
「まだ何もはっきりしておらん。
見る意味があるかも全くわからん。
ただ…何も手がなりがない現状、これは大きな手がかりと言えよう
行ってみるかぇ?」
椿はシルディアと顔を見合わせ、頷く。
「当然!」
さてさて物語りもずいぶんと進んで参りました。
まだ見えぬ組織の陰謀…
その中で闇に葬られた偽ハロルド…
彼の乗っていたバイクが同じ敷地内にある謎…
謎と謎の点を繋いだ中に見えるものは?
その線の先にあるものは?
この先は…次回にて…!!