夢と希望の非日常-1
夜暗い道をひとりでとぼとぼ歩いているとだんだん歩くのがめんどくさいなーってなってきて自分にマンガの主人公みたいな特殊能力があったらなーとか夢想していた。
私はずっとこういうヤツで、もっと小さなころはテレビの魔法少女とおんなじ歳になると自分もこういう風になれるんじゃないかと思っていた。自分には凄い前世とか超能力とかあるんじゃないかと夢見てた。
今も似たようなもんで、私は誰かが私を非日常的な生活に巻き込んでくれないかなーとか願って祈ってる。
この単調ではないけれど嫌気のさす生活から。
アイツウザ〜イとか言って自分も言われてるよ馬鹿っぽ〜いあれ私もキモイ?デブ?やだブス?サイアク〜死ねよばーか!
この生活がたまらなく嫌だ
文句は言わないけど(もう言ってるけど)
誰か
私を
助けてくれませんか?
でも誰も来ない。当然。私はマンガの主人公じゃない。悲劇のヒロインぶっても、ただイタイヤツになるだけ。
「あー」
自分がここにいるか確かめたくってってロマンチックな理由で声を出してみる。イタイヤツだわ私。
にやにやしながら歩いてると、数メートル先に人がいた。あからさまに不審人物臭い。
私は無視して通り過ぎた。
時だった。
「―…」
男が何か呟いた。
私はびっくりして男を見つめた。
そしたら
きらっと
光るものが
見えて
私の
胸に
何かが
刺さって
血が
血が
肉に
刃物が