舞い斬る華 第一章-5
「あ、あの〜…実は…ね?」
…ふぅ…
どれだけ自分に自信があったのか知らないけれど、ちょっとしかないお金をtotoで自分の勝ちに全て注ぎ込んだとか…
そもそも、勝ったところで当選金なんて受け取れるわけ無い
アレは一般人がやるものであって、俺たち戦う側がやって良いもんじゃないのだ。
で…元々あちこち点々としていて帰る場所も金も無いと……
まぁ、金には特に困ってない
試合とはいえ可愛い子を真っ二つにしちまったしな
「今日の賞金、半分やるわ」
そう言って財布を取り出した。
「そ、、そんな!」
慌てて彼女はその手を止める
「そんなつもりで話したんじゃないんだよぅ…」
また申し訳なさそうな笑みを見せてこう続ける
「明後日…さっきのトコでまた試合があるんだ。 だから…ちょっと…家…かしてくれない?」
ぶっ…!
思わず椿は噴出した
こうして、今まで異国で生きてきた椿とシルディアの二つの道が一つになった。
この先起こる、とんでもない出来事が二人を待っているとも知らずに、新しい時間は時を刻み始めるのであった…。