舞い斬る華 第一章-4
例え真っ二つにされようと、傷口は瞬時にふさがるので血は出ない。
ほんとうにただ、体が真っ二つになるだけだ。
あーあ残念って感じの表情のシルディアの半身が係りの人に抑えられ、みるみる内に元通りになる。
椿も斬り飛ばされた足をその場でつっくける。
「残念だったなぁお嬢ちゃん♪」
椿はシルディアと握手すると、審判からの正式な勝利の判決も貰い、大きな観客の声援を浴びながら舞台を降りた。
そして待合室で少しリラックスした後に簡単に持ってきていた荷物をロビー受付で受け取ると、また〜と言葉を残して外に出た。
「ふぅ…今日はマジで危なかったな〜っと…」
そして少し歩いたところで足を止める。
「あ〜らお久しぶり?」
なんて、とぼけた言葉を目の前のシルディアに投げかける。
シルディアは椿を待っていたのか、出口付近で壁に背をもたれた状態絵で腕組をして立っていた。
彼女はにこっと笑うと、「完敗だわ」と椿に再度握手を求めた。
「どういたしまして♪こっちこそ、久々にヒヤヒヤさせてもらったよ」
格闘、スポーツなど対戦者同士のさわやかな握手だった。
「それじゃーまたな」
椿は三日に一回は試合があるためココから近くにあるホテルの一室を前金年間契約している。
帰ったら今日は焼き魚でも頼むかな…なんてメシのことを考えながら歩く。
……
ホテルに向かって歩く
……
ちょっと立ち止まる
……
また歩く
……
「ん〜……何か用なのかな?」
後ろを振り向き、なぜかずっとついてくるシルディアに問いかける。
すると、ちょっと苦笑いを浮かべながらシルディアが語りだす。