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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 第一章-3

二人は少し離れた所定の位置に立つ。

レフェリーがお決まりの諸注意をした後、巻き込まれない位置にサッと身を引いて開始の合図をする!

その開始刹那、彼女は太刀を大きく振りかざして地面を一蹴りで突っ込んでくる!!

「そうきたか…っと」
自在に動く刀を使う椿、それを封じようと最初から突撃してくる相手も多かった。

手馴れた様子でまずは刀を横にしてでそれを防ぐ。

ガキィィィン!!!!

会場に鋭い金属のぶつかり合う音が響く


「ん!!!!がっ!」
これが女の子の力か!?というようなとてつもない衝撃で椿の体は刀ごと弾き飛ばされる

それは身の軽い椿、くるっと体制を立ちなおしてスタっと着地する。

「やれやれ…あの太刀、見た目以上に重いようだなぁ よくあんな小柄であの獲物振り回せるよ…」

予想以上の手ごたえに、どう攻めようかと考える。
といっても、あの太刀を無駄に何度も受けるのはキツイ。

そうなれば身軽さを生かしてこちらから相手の隙をつくのがセオリーだ

ましてやあの重さの太刀、細腕で簡単にガードに回せるわけがない。
そうと決まれば確実な勝ちへ向けて椿は一直線に相手へと走りこみ、刀をふりかざす!

一撃目は太刀の出ていた体の右側へ!
ガキィン!!
彼女は太刀を地面に立ててそれを防ぐ

が、椿はそれを読んでいて、反動を使ってクルっと回りそのまま左側に鋭い斬撃!!
ガキィン!!!

彼女はその立てた太刀をそのままに自分の身をずらすことでその斬撃も受ける

しかし、椿にはそれも想定の範囲内
その斬撃は半分横から斬るため、そして半分は太刀を地面に刻み次の手を遅らせるために打ち下ろしたものだった!

当然、重みのある太刀にさらに重い斬撃を加えられたシルディアは太刀を持ち上げるのに僅かに時間が遅れた

椿はその瞬間を見逃すわけも無く真上から刀を浴びせる!!

誰もが勝負は決まったと思った


しかし、彼女は太刀の刃先を蹴り、下から椿の体へと相打ちを狙った!!
いや!
太刀と同じくらいの身長を活かし、自分は刀の柄でその椿の刀を受ける!

「やべ……」

スパッ!!!!

身をよじった椿の足が宙を舞う!


が…


「一本!!!それまで!!!」


間一髪、防がれた部分から刃を曲げた椿の刀が、彼女の小さな体を真っ二つにしていた


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