舞い斬る華 第一章-2
彼の名は椿、少しは名のある男で「スネーク」という通り名で呼ばれることもある。
スネークの由来は彼の変形刀
一件普通の日本刀だがワイヤーが仕込んであり、数箇所曲がる刃を自在に操る蛇のような刀なのである。
歳は25、剣術家としては試合経験もそれなりにあり体力的にもいいところだ。
椿は試合を前にして待合室にて簡単に相手の戦歴などの書いてある参加者名簿を見直す。
「ふぅ…今日の相手は名前からして女だよなぁ…武器は…大刀か…」
名簿には名をシルディア、出身はアメリカ、武器は太刀と記述されている。
正面からぶつかってもその腕強く、時にトリッキーな動きで相手を錯乱させるタイプの椿
動きにはかなり華があった
ルックスも悪くなく、そこそこモテていて、何度か雑誌の表紙も飾ったりしていた。
「イカツイねーちゃんなんだろーなぁ…」
真剣勝負で男をスパっと斬るのはそれなりの爽快感があってもやはり女性はやりにくい。
そして大刀を繰る女
その戦う姿を見ていても楽しくないだろうな〜なんて華を見出せない所がちょっと椿のテンションの足かせになった。
しかし、試合は試合!
今回の大会は賞金も多く、これを取れるかで賞金ランキングの上位もかかっているので気は抜けない。
試合開始時間が迫ってきた椿は頬を数発叩き、気合を入れなおして試合場に足を運んだ。
スネークのファンや、剣術好きな観客たちの盛り上がる試合場へ足を踏み入れる。
派手な音楽とともに名を呼ばれ後から会場に入る椿
真四角の広いフィールドの中央付近には既に待ち受ける対戦相手が立っている。
椿は目を疑った
「こども…?」
いや、対戦相手は背は高くないが18〜20そこそこあるだろう年頃の女性
やはりこういう武道会では背格好の良い人が多いので、150くらいの彼女はとても小さく見える。
風貌は出身はアメリカとアジア系のハーフくらいか綺麗な顔立ちに華奢な体つき、髪は綺麗な金髪だがバっと鮮やかな着物を着こなしている。
そして目に付くは身長ほどあるような長く長く刃の広い太刀を肩の上に乗せている。
そして軽く会話をする。
※この時代は英語が全世界通語ですが書けないし読めないだろうし日本語で記述してますw
「初めましてお嬢さん、なかなか物騒な獲物だねぇ…お手柔らかに頼むよ♪」
椿はニコっと笑う
「ふっ…こちらこそスネークさん♪こないだの試合見てましたよ♪」
ちょっと小悪魔めいた笑みを返し、シルディアはお辞儀をする。
ビーーーーーーーっと大きなブザーが鳴る
試合の始まる時間だ。