恋人達の悩み9 〜secretly concern〜-13
「あっ……うぅあああぁ……!」
一声叫んだ美弥の全身に、ぶるぶると痙攣が走った。
愛しげに指へ絡まり付く内壁からその地点を探し出し、龍之介は指を折り曲げる。
「ひやぁっ……!」
呂律が回らないのか『嫌』が『ひやぁ』と聞こえてしまい、龍之介は苦笑した。
「嫌?」
優しい口調って問うと、美弥はぶんぶん頷く。
「じゃ、もっと気持ちのいい事がしたいと?」
美弥の顔に、『しまった!』という表情がよぎった。
しかしはっきり嫌とは言わない辺り、なかなか正直である。
「じゃ、もっと気持ちのいい事する前に……提案があるんだけど?」
埋め込んだ指を抜き、龍之介は笑った。
「服が皺くちゃになるの、やだろ?脱いだ方がいいと思うんだけどな」
「んぁ……ふあ、あ、あっ」
恋人の頭を両腿で挟み付けながら、美弥は喘いだ。
「んっ……あっ……ああんっ」
ふくらはぎは龍之介の首の後ろ辺りでクロスしていたが、時々離れては背中を叩いている。
それがまるで踵落としでも食らわせているかのような勢いのため、龍之介は咳込んでいた。
それでも花芯に吸い付く行為を止めないのだから、なかなかあっぱれである。
「あ、あ、あ……!」
限界まで腫れ上がった突起を吸い上げられ、美弥の全身がのけ反った。
淫核を激しく吸い続けながら、龍之介は秘花の中へ狙いを定める。
ぢゅぷ……
十二分に潤った秘道へ指を受け入れた美弥は、声を上げて悩ましく腰をよじった。
早く恋人の分身が欲しいと、全身で表明している。
龍之介の指は折り曲げられ、指の腹で上側を引っ掻きながら美弥のお腹の中を前後し始めた。
「ひっ!あ、あ、あぁっ……!」
強烈な刺激に耐えられなかったか、美弥の全身がぶるぶる震える。
イってしまった痙攣に、龍之介は満足そうに笑った。
虚ろな目付きで天井を見上げている美弥へ、口を拭った龍之介は伸び上がって軽いキスをする。
ぐったりしている肢体を抱き締めつつ、青年は呼吸を整えた。
「ん……」
美弥から応答があると、龍之介は微笑んでその耳元に囁く。
「まぁだこれからだよ」
性の悦びを味わった満足感が溢れていた美弥の顔が、一瞬ぴくりと引き攣った。
「まさか、終わりだなんと思っちゃいないよねぇ?」
龍之介は体をずらし、位置を調整する。
鎌首をもたげたそれは、思い出したように震えている秘裂の中心へあてがわれた。
「ふっ……ううぅっ……!」
熱い塊が体の中へ押し入ってくる感触に、美弥が声を上げる。
侵入者を抵抗なく受け入れた淫裂は、新たな蜜を吐き出し始めた。
「はっ……!」
龍之介は、目を閉じて息を吐く。
美弥の締め付けはあくまできつく、しっかりと咥え込んで小刻みに痙攣しながら満遍なく圧力をかけてくるのだ。
薄い人工被膜を隔ててさえその調子なのだから、根性を入れないと美弥を満足させられない。
「……これが、残ってるんだからね」
そう言うと、龍之介は腰を前後に振り始めた。
「んあっ……!あっ、あっ、ひああああんっ!」
一ストロークごとに高まる快感が、容赦なく美弥を攻め上げる。
快楽と愛情とを交換しあう行為に慣れても未だに発揮される羞恥心すら彼方へ吹っ飛ばし、本能のままに乱れ狂っているのだ。
それが龍之介には嬉しく、もっと美弥が感じるようにと腰を使う。