たったひとこと【第2話:こんな2人】-4
成(ひ、久しぶりに学校で会ったな。やっぱ可愛いなぁ〜・詩乃は・でっでもオレに話って何だろ?ま、まさか告白!?なんてまさかな!?)
詩(もう〜マリ姉も勝手過ぎるよ〜!・・・でも久しぶりに成之に正面で向き合ってるな。アレ、背伸びた?朝は気付かなかったのに。顔もちょっと大人っぽくなってるし。あっ、何かドキドキしてきた!だってカッコ良すぎるよぉ―・)
「・・・あ、あのね」
「!・・・おう」
その様子を窓の隙間から覗く目二つ。
「さあっどうなることやら♪」
「マリ姉、楽しんでない?」
「・・・おはよ」
「・・・おはよ」
ズコッ
「何だそりゃ」
「詩乃、アガってますね」
成(え、あ、挨拶!?)
詩(アタシのバカバカ!何で今おはようなのよ!ああ、成之もキョトンとしてるし!何か言わないと、何か)
「ら、来週から台風上陸らしいわね!」
「あ、ああ!ニュースでやってた!」
「台風だから、昔から風が吹けば桶屋が儲かるとかどうたらこうたら」
「何を口走っとんだ、アイツは?」
「緊張しすぎですね」
「・・・それで、その、成之に前から言いたかったことが・・・」
「おお!きたきた―♪」
「頑張って、詩乃・・・」
「何だよ」
成(えっ。もしかして本当に告白!?)
「アタシ、前から成之にす、す・・・」
ごくり・・・
「す、すぅ、」
外の2人(後一歩!)
「鈴木建設の株が買いだと言いたくて」
「・・・え?」
ズッコ―
詩(何言ってんだぁ―アタシ!!)
「あ、あそこは将来絶対伸びると思うのよね!」
「そ、そうか。覚えとく」
「・・・」
「・・・じゃ」
くるりと背を向ける詩乃。
「あ〜あ、これで終わりか。全く、素直になれない恋は成就しないわねえ、くるめ」
「・・・」
「さっ、HR始まる前に慰めに・・・」
「このままじゃ・・・ダメです」
「?」
すっ、と立ち上がり廊下に成之の前に立ちふさがるくるめ。
「くるめ!?」
「成之さん、お暇でしたら私達と今日のお昼ご一緒しませんか?」
「ハイ?」
第3話に続く・・・