DEBUT!!〜STAND UP〜-1
熱された鉄板の上でお好み焼きが、じゅ〜と音たて、食欲を誘う匂いをただよわせながら焼かれている
「ナオ、そっちもういいんじゃね?」
「いや、あと10秒だ」
俺は『ナオ』。北高の2年
先ほどから持ち、構えていたヘラを生地の下へ差し込み……一気にひっくり返す!
「グッジョブナオ♪」
この、ご機嫌度MAXなやつは『ハチ』。先に言っておくけど、こいつら全員俺のクラスメート
「てゆーかさぁ、俺は納得いかねぇ!お好み焼きはイカゲソ!!」
こいつは『ハルちゃ』。こいつん家はカフェ
「はぁ?シンプルイズベストだろーが!!」
こいつは『にっしー』。熱血野郎だ
「まぁまぁ、また追加すればいいじゃん」
この優男は『カナ』。ちなみに俺の幼なじみ
お好み焼きをもう一度くるっとひっくり返す
「よし、完璧♪」
程よく焼けたお好み焼きに、はけでソースをぬる。その匂いが、さらに食欲をわかせる
「あっ、マヨネーズかけんなよ!?」
「わかってるよ」
ハチはマヨネーズが嫌いなんだとよ。まったく、マヨネーズの旨さを知らないのか?……毎回思うが勿体ないやつだ
さらに、かつおぶしとあおのりをトッピング。ヘラでお好み焼きを6等分にする(5人しかいないけど、5等分は難しいからな)
「あっ、どうぞ♪」
カナが人数分の割り箸を取って、皆に配る。そう、カナは昔から気が利くやつ
「サンキュー♪」
割り箸を受け取り、ハチは自分の取り分を皿に取る
一切れかけたお好み焼きにマヨネーズを大量噴射!
……やっぱこうじゃなきゃね♪
「じゃ、いただきまーす♪」
「ん、うまい♪」
「ナオ天才!!」
「サンキュー」
毎日こんな感じだった。学校帰りに5人でお好み焼き食ったり、ゲーセン行ったり…
その時、隣の席から笑い声が聞こえた
「あっ、いいなぁ……」
そこの席には、同じ制服を着た男子、ウチの高校の女子制服をまとった女子
にまにま笑いながらお好み焼きを食べている