新しい日常へ-2
「ここの女の子の制服って面白いんだよね〜。」
言われて見てみると、白と黒が基調の制服に全身ピンクのエプロン。
そして結構短いピンクのフリフリのスカート。
女の子によっては茶髪だったり、ルーズソックスを履いていたり。確かにアンバランスさに笑いが込み上げる。
「ね?面白いでしょ?」
やっと池上さんにも笑顔が戻って来た。
いつもと違う新鮮味からくる緊張もほぐれてきて、ようやく自然体で話せるようになってきた。
けど今日彼女はバイトが入っていた。まだ少し余裕はあったが取りあえず店をでて、車に戻る。
今日はここまでか〜…残念だけど仕方ない。
その気持ちを察したように
「まだ少し時間あるしドライブ行こっか?」
その喜ばしい誘いに二つ返事でのっかり、早速国道へと出ていく。
さっき借りたCDは少し飽きたし、車にあったMDを物色する。
「ん?これ名前読めないんだけどどんな人なの?」
「傳田 ○オって言って、宇○田に少し似てるかな?」
「え??でん だ○お?」
男の癖に宇○田のような歌を歌うだと?
勘違い甚だしい事に気付かずも非常に興味が出てきた。
これ聞いていいか?と許しを得ようとしたら、隣で必死に笑いを堪えてる彼女が…
「?? 何?どうしたの?」
「でん だ○おじゃなくて…、傳田 ○オだってば…」
運転中に笑わせんなといった軽い非難を含めたように、笑いながら俺に言い諭す。
俺も間違いに気付き笑い出す。それを見て彼女も更に笑う。
落ち着いてきたところでまた笑いのネタが見つかり。車内は二人の笑い声が絶えない。
……周りからみたらかなりの危険車両だ…
「はぁ〜、バイト行きたくないな〜」
「サボっちゃえば??」
思わず二人とも本音が出る。
けど流石年上の池上さん。
「…いや。ダメダメ。サボりはいけないよ!
でももっと時間あったらカラオケとか行けたのにな〜…。」
「じゃ、今度行かない?」
「いいね!私実はカラオケ得意なんだ〜。」
今日はそれで帰る事になったがとても有意義に過ごせた。次のデートの約束も取り付ける事ができた。
最近自分で自分の言動に驚く事がある。
俺はこんな奴だったか??俺は変わったんだな…。
池上さんと出会い、その内面を知っていくにつれ、俺は変わっていっている。
……人を好きになる事ってこういう事なんだろうな……