今が楽しけりゃ、その2
〜今はこれでいいんです〜-2
麻雀の腕は俺より上手、と言うかこいつから麻雀を俺は教わった。
限りなく尊敬していない俺の師匠だ。
打ってる最中に、俺の判断がお気に召さないと後ろから舌打ちが聞こえてくる。
溜め息やら、「うわっ」とか「あぁ〜」とか
自分がまだ順番待ちだから嫌がらせをしたいのか?
ストレスが溜まる。
遂には無理すれば二人腰掛けれる長椅子なので俺の横に座りリードしだす始末。恋人でもないのに俺の隣に座るな。
ストレスが更に溜まる。
やがて隣の席も空いて直人が座る。
やっと解放された気分だ。
だが置き土産に俺の隣で屁をこいて行ったらしい。
…限界だ。
所構わず屁をこく癖が治るように祈りと怒りを込めて殴りつける。
…だからなぜそこで笑顔なんだ。
貴様はマゾか?
マゾは構うだけ喜ぶからな…
放置プレーにしておき
気を取り直して画面に集中。
だが長くは持たなかった…。
なぜオーラスでビリっけつの親に倍満ツモられてトップから三位まで転落せにゃならんのだ?
なぜ追っ掛けリーチのやつに一発で振り込まなきゃならんのだ?
なぜ配牌で字牌がバラバラに半分以上を占めているのだ?
ちなみに国士もホンイツもチャンタも狙えそうにない。
バグっているのか…?
そうに違いない!
てかバグらせるぞ!
隣の直人も劣らず酷い有様のようだ…。
ド素人のレベルに紛れ込んで弱者をいたぶるつもりだったようだが…
半荘戦わずか五回程で倍満を三回程見たそうだ。
遂には直人はゲーム機を殴る始末
俺とは違い本当にゲーム機をバグらせて
スロットコーナーに逃げていった。
結局長持ちせずゲーセンを後にする二人。
「俺はもう麻雀は打たん…。」
「何度目の台詞だ?」
レンタルDVDを借りて帰る事に。
近くにあるレンタルショップに足を運ぶ。
その間の会話は「麻雀つまらん」と「てか寒いな…」だけ。
ここのレンタルショップは3時までしかやっていない。今は2時。
取りあえずDVDを物色。直人は借りないらしい。
だがふらふらとした足どりで一応物色中。
迷子になるなよ。
DVDを借りた後、俺達は蛍の光が聞こえてきても、躊躇いなくコミックコーナーに居続けた。