オタク-1
人類って奴はみんなオタクだと思う。
例えば電車マニア…いわゆる鉄オタ。
何時何分発の特急何号何処何処行は何系の車両を使ってるとか。
普通の人にとって見れば乗る駅に何時に着いて目的地に何時に着く、それだけで十分だろう。
アイドルオタクだって、何とかというグループの何とかという人は何年何月生まれの何歳で何が好きとか。
興味無い人にとってみれば誰だって同じ顔に見える。
僕だってそうさ。
僕はいわゆるアキバ系。
身長164cm・体重86kg、視力0.3。
何処にでもいそうなアキバ系のキモオタさ。
リアルの女の子からはキモいと言って石を投げられる。
全く…ヒドイよね、三次元の女はこれだから信用出来ない。
でもね、パソコンの向こう側で微笑んでくれる女の子は決して裏切らないさ。
今日も僕だけの為に微笑んでくれる。
ああ…今日も可愛いなぁ…あかねちゃん。(注:彼がやってるエロゲーのメインヒロイン)
もちろん一日中パソコンさ。
腹が減ったらカップ麺でも食べればいいさ。
「ちょっと!あんた引きこもるのもいい加減にしなさい!」
口うるさい母が来たよ。
「ちょっとはバイトに出たらどうなの?一日中引きこもってばっかで…くどくど。」
ああ、うるさいなぁ。
「母さん、兄貴に何言っても無駄だって。」
妹の優がそう言う。
アキちゃん(注:彼の持ってる妹モノのエロゲーのヒロイン)とは違ってお兄ちゃんとも呼ばないし、何と言ったって可愛いげが無い。
「もう…引きこもってばかりなら父さんに言って追い出して貰いますからね!」
「ハイハイ。」
「どうせ外出しても秋葉原以外は行かないよ。はぁ…何であたしこんなろくでなしの妹何てやってんだろ…早く高校卒業して一人暮ししたいなぁ…。」
「テメエは黙ってろ!いつか最高のエロゲーを作ってやるから!」
「何の根拠があって言ってるのやら。しかもエロゲーなの!」
「未来のことは誰にもわからないからな!どんな可能性だってあるさ。」
「じゃあ兄貴、2進数や16進数ってわかる?」
「何それ?」
「だろうと思った。じゃあ秋葉原にいってらっしゃい。」
フン、僕は2進数や16進数が解らなくても大丈夫さ。僕には絶対裏切らない可愛い娘がいるしね。
ついでに新作エロゲーの発売日だから言われなくても秋葉原に行くよ。
僕は家からバスに乗り駅に向かい、電車を乗り継いで秋葉原に向かう。
電車に乗ったって僕は電車男にはならないさ。
確かにエルメスみたいな女の子欲しいけどどうせ優みたいにうるさいんだよ。
秋葉原に着いたらいつもの様にエロゲーを買ってから散策する。
ああ…どこのメイドカフェの女の子も可愛いなぁ…。
その時、「なぁ兄ちゃん、金貸してくんねぇかな?」と変なチンピラに絡まれた。
「な、何だようあんた達?」
「金貸せって言ってるだろうが!」と僕はボコボコにされた。
ボコボコにされた時に僕は地面で頭を強く打って、そのまま死んだ。
その後、そのチンピラは逮捕された。
でも僕は幸せだよ…。
周りには二次元の可愛い女の子しかいないから…。
あ、でもあのエロゲーやりかったなぁ…