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ヴァンパイアプリンス
【ファンタジー 官能小説】

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ヴァンパイアプリンス7-9

ー…
「おじゃましました-。」
宏樹は元気よく月下の家を出た。
「帰り方わかる?」
月下は玄関を出てまでも宏樹を見送る。
「んん。ここを真っ直ぐ行けば大通りでしょ?」
「そう。」
月下はいつもより体力を消耗したようで、気だるそうにあくびをした。
「…無理させちゃった?」
宏樹は月下の顔を覗き込むように顔を傾ける。
「えぇ。かなり。」
月下即答。
「すいませんι調子のりました…」
「ふ-んだ。」
ぷいっと月下は顔を外に向ける。
「げ-っかぁ〜怒らないで-」
「…。」
「月下〜」
「……ん!!」
月下は目を閉じて、ずぃっと自分の顔を宏樹に向けた。
「ちゅー…?」
「してくれたら許す。」
「…そんな事でいいの?」
宏樹は月下の腰に手を回す。
「…は-や-く-…」
「はいはい…」
宏樹は月下の唇を軽くついばんだ。
一度唇が離れ、もう一度唇が引き合う。息をするのももどかしいほど、二人は唇を重ねていた。
「…合格。」
月下は宏樹の胸に倒れ込んで、一言だけそういった。
「…さ、そろそろ帰って。弟が部活から帰ってきちゃう」
月下は名残惜しそうに、宏樹から離れる。
「うん。じゃあ…ね。」
宏樹は自転車に乗った。振り返ると、まだ月下は玄関にいた。
宏樹は、もし月下と結婚したら、毎日こんな感じなんだろう…と妄想しながら日が暮れた道を走る。
「…朝の自転車のお返しがあんなに凄いものだったとはなぁ〜。」
宏樹は1日(主に月下との)を振り返った。
まさに自転車様々!!
そして、たまには寒い日でも自転車に乗ろうと心に決めた。
「ひゃっほ-い」
嗚呼、性春。笑


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