どこが好き？-1
「ねぇ。」
「何だいハニー？」
「ねぇ、龍二。」
「…はい、何ですか未歩サン。」
「アタシのどこが好き？」
「へっ？」
「即答しろよ。」
「おっぱい。」
「アンタのお母さんのどこが好きかなんて聞いてないわよ。」
「俺はマザコンか？」
「………。」
「即答してくれよ。」
「さあね。」
「…一番聞きたくない返答だな。」
「ねぇ、どこが好き？」
「顔。」
「仙台に帰れば？」
「うそだ！！」
「いや、帰れ。」
「命令かよ！！」
「拒否権は一回のみ。」
「すいません、お情け頂戴。」
「で？」
「……………目？」
「…は？」
「その、何でも見透かしたような目。」
「けなしてんの？」
「いや、褒めてんの。」
「無性にイラつくのは気のせいかしら。」
「絶対に、気のせいだよ。」
「時間あるし、荷物まとめでもしようか。」
「やべっ、拒否権がねぇ！」
「…まぁ、いいや。」
「いいの？」
「アンタに聞いてまともな返事が返ってくるとは思ってなかったから。」
「けなしてんの？」
「ううん。罵ってるの。」
「同じような意味だと思うんだけど…。」
「は？」
「すいません…。じゃあ、俺のどこが好き？」
「ない。」
「ねぇ、俺らって恋人だよね？」
「そうだっけ？」
「うおっ…ヤバい、１０ｔのインパクト。」
「１０ｔじゃ軽いね。」
「俺を再起不能にしたいの？」
「かもね。」
「………。」
「それそれ。」
「へっ？」
「すぐいじけるとこ。」
「…が好きなの？」
「いや、ウザい。」
「………。」
「昼何食べる？」
「食欲ないがな…。」
「ラッキ、食費が浮いたわ。」
「そんなにイジりたい？」
「寿司にしようかな。」
「………。」
「…だって、好きなとこないし。」
「………。」
「愛してるもん。」
「ほんとっ？」
「んなわけないじゃん。」
「………。」
「うそ。」
「…俺も未歩のおっぱい愛してるよ。」
「飛行機で帰るんだっけ？」
「すいません…。」
「お土産にバレン持って帰ってくるから。」
「せめてガリにして……。」
●Ｅｎｄ●