処刑なき罪人-2
「乳首起ってるよ」
「言わないでよ…あんっあっ」
恥じらいの無くなった女はオバさんになった証拠だというが、この歳で恥じらっているのもまた情けない気がする。
そして彼はゆっくりと私の突起に顔を寄せて、舐めたり吸い付いたりを繰り返した。
「はぁんっ、あんっ、あっ、あっ、あんっ」
もどかしいような快楽に耐えながら両脚をもぞもぞとすり合わせていると、彼は再び指で乳首をいじり、もう片方の手で秘部をまさぐり始めた。
「すごい濡れてる」
愛液を下の突起に塗りたくりながら彼が言った。
「んっ、あぁっ、あっ、あん、あんっ」
中まで掻き回されて、私の秘部はお尻まで伝うほどの愛液を溢れさせた。
「ごめん、もう俺我慢できない」
前に会ってから少し間が開いたせいか、いつもより前戯が短めで彼と私は繋がった。
グチャッ、グチャッ
2、3回慣らすようにゆっくりと抜き差ししてから、徐々にペースが上がっていった。
ふと、涙がこぼれた。
「どうしたの?」
心配そうに私の顔を覗き込む彼を見て、余計に止まらなくなった。
「嬉しいの」
そう答えると彼は微笑み、私に口付けた。
本当は、苦しい。
嬉しいのも嘘ではないけれど、それよりも…苦しい。
もうそろそろこの関係に終止符を打たなければと思っている。
私の家庭と、彼の人生と、息子の友情…愛する人々の全てが壊れる前に。
「うっ、あぁっ」
彼が小さく呻く。
「そんなに我慢しなくていいよ。」
「だって、もっと繋がってたい」
「まだ時間はあるんだから」
「そっか。じゃあ、ごめん…」
照れ臭そうに笑みを浮かべてから、彼は本能のままに私を突いた。私も本能のままに鳴いた。
「あっ、あん、あっ、あっ!!」
「うぅっ…」
私の胎内に、熱い愛が注がれた。
旦那には生理が重いからと言って飲み続けているピル。デートの日には、息抜きのために一人でゆっくりウインドウショッピングがしたいと娘に告げて出掛ける。息子が彼を家に呼ぶときは、精一杯“友達のお母さん”を演じる。
私は家族を騙し続けてきた最低な妻であり母親である。
もうこれ以上、罪を犯してはいけない。
今日が、二人の最後のデートである。