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紅館の花達
【ファンタジー 官能小説】

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紅館の花達〜双女花〜-4

今まで女性について熱中することがなかったからか、一度火が付くと止まらないのだろう。
しかし、スー個人としては少しショックだ、元とは言えウェザを好きだったのだから。
そして、シャナに悪い事は無いのだがやはりウェザの寵愛を受けているため、羨ましい。
(いけない…私ってば、嫉妬してばっかり…)
ほぅ…と頭に手をあてながら溜め息を吐く。
グイグイ…
ふと、手の袖をゼロに引っ張られる。
『ゼロ?』
ゼロを見るが、ただ袖を引っ張るだけで何も言わずに歩く。そして、そのまま引っ張られて自室に到着した。

部屋に入り、扉を閉めるなりゼロは私をベットに押し倒した。
『ぜ、ゼロ…? あ…』
服を着たまま乳房を握られ、揉まれる。仰向けになっている私の上にゼロは馬乗りになり私を押さえ付けていた。
『………スーちゃんったら、シャナちゃんのこと羨ましかったでしょ?』
語尾が少し強く、胸を揉む力も強くなった。
『うっ…あ、お、思って…ない…』
嘘をついた…自分の心を読まれているのだけど、私自身、あまり認めたくない事だったからだ。
『…嘘吐き。』
ゼロは笑っていない、とても不機嫌そうに私の服の襟を掴むと乱暴に引き裂いた。
破かれて、露になった乳房は先程の愛撫だけで淫らな反応を示していた。
ゼロは胸の谷間に顔を埋め、ザラザラした猫の舌で谷間をチロチロと舐める。
『あぁ…ゼロぉ…』
自分よりかなり小柄なゼロに主導権を握られている。
両腕はタオルで固定され、ゼロは両手で胸を愛撫しだした。
ちゅ…ちゅぽ…ちゅぽ…
手で乳房をしぼるように握られ、固く立っている乳首を吸われ、舐められる。
『くぁぁ…ひゃん…あ…ゼロぉ…』
名前を呼んでも、ゼロはまったく反応を見せない。ただ黙々と愛撫を続ける。達しそうになれば止め、また繰り返すだけの愛撫を…
『いやぁ…ゼロ、あ、あそこがせつない…ゼロぉ…』
縛られた手、戒めさえなければゼロをぎゅっと抱き締めたい。それだけできっと最高の気分になれる。
『…嫉妬…してたでしょ?』
愛撫を止めたゼロの顔が私の顔と触れ合うくらいの距離で再び問われた。
『…うん、してた…ごめん…』
自分でも驚くほど自分は素直になっている。そんな私を見つめるゼロの表情が、やっといつもの笑顔になった。
『…やって言ってくれた♪』
そういうと私の両手を縛っているタオルが解かれ、私はゼロにぎゅっと抱き締められた。
『…ゼロゼロだって嫉妬するんだからね…
特に、スーちゃんがご主人たまのこと見てる時とか。』
私は気づいた、今のゼロは子供のようだ…相手の興味をどうしても自分に向けたい、その一心だろう。
『ごめんね、ゼロ…スキ、ダイスキだからね…』
二人で抱き締めあう。お互い服を脱いで、素肌で触れ合う…夜は長い…
この晩、水竜館のメイド達は二種類の嬌声で悶々とさせられたとか…

『ふぁ〜〜………』
やっぱり考え直そう、後先考えずに遅くまでHするのは…
二、三時間程度しかない睡眠時間はスーの目をよりいっそう細くするには十分過ぎるものだった。
『ルンルンル〜♪』
かたや、スーと同じく数時間しか寝ていないはずのゼロなのだが、いつもと変わらず早起きであり、ご機嫌であった。
今朝は廊下の窓掃除。だが、スーの目はヤバイ…今にも寝そうだ。
『う〜…………眠い〜………』
『してあげようか…♪ 目が覚めるよ♪』
却下。その後はきっと熟睡だ。 と言うより、なんでゼロには節操を守るというものが無いのだろうか…
『…くぁ…窓掃除終わり…ゼロ、私は寝てくるから…』
雑巾をゼロに渡し、部屋に戻ろうとした時に、一人こちらに近付いて来る人がいた。
シャナだ。
『おはようございます。』『おはよう。』
『おはようねぇ〜、シャナちゃん♪』
薄い紫色の髪が朝日に照らされ可愛らしい。
(この子…昨日より綺麗になってるかも…)
心境の変化か?まぁ、紅様に愛されて幸せ一杯だからかしら?
『名前…覚えてくれたんですね。』
『うん、だってゆ〜めいじんだもん♪』
ゼロは雑巾を投げ捨て、シャナに近寄る。
『ゆ、有名人?』
『そ、ゆ〜めいじんだよ〜 シャナちゃんはゆ〜めいじん♪』
まぁ、確かに有名人になった。 紅様が執心する女性ならば当たり前か…
『あの…何故私が有名人なのですか?』
『んとね〜』
『…ゼロ、私は先に行くから。』
話の内容は私には関係無いこと…今の私は部屋に戻る。そしてベットに倒れこむことの方が優先されたのだ。
その場を後にし、歩き出す。後ろでは二人の会話が続いていたが、もう聞こえないくらいになった。
(眠い眠い…あぁ眠い!)
ドォン!!
足早に部屋へと歩いていたが、曲がり角を勢い良く曲がると何かにぶつかり、床に尻餅をついてしまった。
『イタタタ…』
『だ、大丈夫でしょうか…?』
顔を上げると、白髪が見えた。
『…ハイネルシスか…えぇ、大丈夫よ。
こちらこそごめんなさいね、急いでたから…』
立ち上がり服の汚れを払う。
ハイネルシスを見ると本当に慌てて、そして心配しているのが表情からわかった。
(へぇ…ハイネルシスもこういう顔するんだぁ…)
『そうですか…お怪我が無くて良かった。』
『ん…ありがと。』
ふぁ…と欠伸をしながらハイネルシスと別れる。そして、やっと部屋に到着してベットに倒れこむ…
『くはぁ〜〜〜〜お休み〜〜〜………』
目を閉じて、安らかな眠りを求めて体の力を抜く…
(…………あ、そう言えば………こんな朝早くにハイネルシスはここで何してたのかしら………ここはメイド達だけの……本来男は入りにくい場所な…の…に…)
だが、結論を出さぬうちにスーの意識は睡眠に入った…


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