ゲーム-1
ふーっ、とゆっくり煙草の煙を吐き出した。
「この禁煙ブームのご時世に、異端児だなお前は」
「あんたに言われたくない」
「俺は男だからいーの。煙草吸う女は嫌われるぞ」
「うるせーよ。セッタはあたしの恋人なの。何年付き合っても変わらないこの深み。あんたみたいな男と違って一途にあたしを愛してくれるし。だからあたしは浮気も捨てることもできません」
そう言ってあたしは箱のロゴに軽く口付けた。
「馬鹿。そいつバイセクシャルだからそうやって自惚れてる間に世界中の老若男女に手ぇ出してるよ」
一瞬の間があって、二人は同時に吹き出した。
「中に出していい?」
「それはだめ。」
生で入れている時点で何の避妊の効果もないのはわかっているけれど、中に出していいのは将来の旦那さんだけ、というポリシーがあたしの頭ん中にある。
ふと彼があたしを抱き起こして座位の体勢になった。そのまま深い深い口付けをする。彼はあたしの背中を摩りながら、あたしはより強くしがみつきながら。
多分これを外から見たらすごく綺麗な光景なんじゃないだろうか。思わず絵に描いてみたくなった。セックスは芸術であり美学である、とつくづく思う。
そのまま今度は彼が下になり、最初はあたしが前後に腰を揺らした。少しの間乳首を弄んでいた彼は、突如激しく突き上げてくる。
「あんっ、あっ、あっ、んっ」
あたしはその激しい攻めに対して、下を向き歯を食いしばって耐えることしかできない。
奥まで痛いくらいに突かれたあと、彼は突然起き上がったかと思ったらあたしを組み敷き、脚を持ち上げてまた突いてくる。奥底に彼が打ち付ける度に全身がさざ波立つような感覚に襲われる。
「あっ、はぁんっ、あんっ、イキそ…あんっ、あぁっ」
「俺もそろそろやばい」
そう言って彼は突如スピードを上げた。
「あっ、いやっ、あっあっあっあっ、ッ…!!」
「あぁっ、イクッ!!」
互いに目をつぶったまま頂点に達し、引き抜いた彼自身があたしのお腹の上を真っ白に汚した。